3話 ページ3
「これ、どうぞ。あったまるよ。あとこれも食べて。」
彼は雪まみれなので家にはいると氷が溶けて全身びしょびしょになった。
本当はお風呂にいれたいくらいだが、とりあえずは玄関で、タオルを渡してある程度水分を拭き取ってもらい、温かい紅茶とトーストを差し出す。
ついでに自分も玄関で食事をする。
「その・・・こんなことしてもらって大丈夫か?ていうか家に入って大丈夫なのか?」
紅茶を飲んで一息つくと、それまで無言で私のなすがままにされていた彼が遠慮がちにいった。
「大丈夫!むしろ私が連れてきたんだから、ちょっと無理矢理でごめんね(・・;)!」
自分で言って、自分で反省してしまう。
「温かくて、うまい。
実は行く宛がなくて、5日間ほどエネルギー補給ができていなったから、その、
・・・本当に助かった。」
・・・なんだか面白い人。
食事のことをエネルギー補給って・・・笑笑
え、でももしエネルギー補給が食事のことだとしたら、五日間!?ありえない・・・
そういえば、この家で誰かと食事をするの、本当に久しぶり。誰かと一緒って、楽しい。
「こちらこそ、ありがとう」
本当に楽しくて、笑顔になってしまう。
人がそばにいるって、あったかい。
・・・あ、やばい、いけない・・・。ゴミ出ししなきゃ!幸い学校はないけど。
「あ、ちょっと食べてて!」
ゴミを捨て、それからまた戻ると、まだ彼がいたことにすこしほっとする。
誰かがいる家に戻る幸せで、涙がこぼれそうになる。
父や母にはつよがって、もう大人だし大丈夫だよ、なんていってたけど、私は大嘘つきだ。
こんなにも寂しかったのは、自分でも予想外だった。
「え、ちょっと・・・
・・・俺、何かしたか?」
戸惑う彼に、私は慌てて訂正した。
「悲しいんじゃなくて、嬉しいだけ。
本当に、ありがとうね。」
笑顔でそういうと、涙を止めようと、私は必死で目元をぬぐった。
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優夜さんのファン1号 - そして私が知らないうちに続々と小説の投稿が増えてる〜ひやー嬉しい悲鳴です (2016年9月24日 21時) (レス) id: 4d4539a309 (このIDを非表示/違反報告)
優夜さんのファン1号 - 15話まで読みました。リサの学校が始まって宿題が難しそうにしているところでアレンが教えてる!頭もいいですね。 (2016年9月24日 21時) (レス) id: 4d4539a309 (このIDを非表示/違反報告)
優夜さんのファン1号 - 8話から10話まで読ませていただきました。面白いです。アレン料理作れるんですね。すごいです。 (2016年9月15日 15時) (レス) id: 4d4539a309 (このIDを非表示/違反報告)
優夜さんのファン1号 - こんな、小説に出会えて幸せものです。次回作も楽しみ過ぎるです (2016年9月12日 21時) (レス) id: 4d4539a309 (このIDを非表示/違反報告)
皇優夜(プロフ) - 優夜さんのファン1号さん» 閲覧ありがとうございます!まだまだ拙い文章ですが、たくさん嬉しい感想をいただけてうれしいです♪今後も随時更新していきますので、閲覧よろしくお願いします! (2016年9月12日 21時) (レス) id: cca9fc0d62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皇優夜 | 作成日時:2016年9月10日 23時