白鳥沢のレギュラーに選ばれたのは苦労人イケメンでした (ページ25)

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茶髪の人と目が合い、お互いに無言で見つめ合う

「おい何立ち止まってんだ」

「いたぁっ！？」

後ろから出てきた黒髪の人に蹴飛ばされたのであろうその人は、俺の近くまでよろめいた

「あ？」

黒髪の人にもようやく俺が見えたのだろう

その人も俺を見て立ち止まる

「どうかしたか」

『えっ！あ、いや…』

話しかけられると思わなくて、思わずビクッとしてしまった

「もー岩ちゃんてばほんっとうにゴリラなんだから」

いてて、と背中をさする茶髪さんも再び俺に視線を移す

2人は俺がラーメンを食べに来たと思ったのか、「入る？」
と道を開けようとしてくれる

『いえ、ラーメンを食べに来たわけじゃないので…』

少し後退りながら言うと、茶髪さんはさも興味がないかのように適当な相槌を打った

「ふーん。キミ、見たことない顔だけどどこから来たの？」

『し、白鳥沢です』

「白鳥沢？」

その一言を聞いた途端、2人の顔がピクッと動いた

「へぇー、白鳥沢の人がなんでここにいるの？ていうかキミ、高校生？」

茶髪さんはさっきとは違う強ばった笑みを浮かべているし、隣の黒髪さんも何故か俺をさっきよりも凝視しているみたいだ

『高一です
ロードワーク中に道に迷っちゃったみたいで、気づいたらここまで来てました』

「白鳥沢はこの時間でもロードワークか。感心だな」

『はあ、』

なんか俺、敵視されてる…？