どこにも 53 ページ9
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さかたんと 手を繋いで下に降りる。
私は断ったのだが、フラフラしていて階段から落ちると大変だからと エスコートしてくれるように さかたんは私の手を握っている。
リビングへ入ると、テレビを見ていたお父さんが私に気付いて お、と声を発する。
｢ おはようございます… すみません、寝てしまって… ｣
｢ ええねん。色々あって疲れたやろ ｣
そもそも 慣れない土地にいるってだけで疲れるのに、その上 連れ回されてるわけやしなぁ、とちらりとさかたんに視線をやりながらお父さん。
さかたんは、しゃあないやん！遊びたかったの！とわがままっ子みたいな言い訳をしている。
お父さんは 冗談や、と笑い飛ばしてから優しい目を私に向けて にっこりと笑ってくれる。それが何故か、自分のお父さんと重なって 胸が暖かくなった。
｢ でも、その疲れた中 心にくるようなこと言われたら、更に疲れるのも当たり前やろ。Aちゃんは、親思いのええ子ってだけや ｣
その言葉に、さかたんが そうそう！と頷いて、そうやでAちゃん！な？だから気にすることなかったやろ？と。
それに対し お父さんは、俺のええ奴を持ってくな、とご立腹だ。
｢ ありがとう、ございます… ｣
胸が苦しくなるくらい嬉しくて、泣きそうなのはきっと その言葉が辛い時の胸に染み込んでるからで。
お母さんの言うとおり、ここに残ることにして良かったのかもしれない。みんなに会ったら、もっと元気になれそうな気がした。
薄情、と言われるかもしれないけど。でも、目を覚ました時のお母さんは、“ 苦しそうに待っているよりも、笑ってくれていた方が嬉しい ” という言葉を掛けてくれた。
お父さんとお母さんはそっくりだったし、きっとお父さんもそう思うはずだって その時に思ったのだ。
｢ まぁ、本当のお父さんは Aちゃんの親だと思う。でも、俺かてもうAちゃんの父さんみたいな気分やで ｣
｢ え… ｣
｢ バカ息子二人しか居らんかったからなぁ。娘が出来るって嬉しいことやな。お前も妹出来て嬉しいやろ ｣
｢ 妹よりお嫁さんとして 父さんの娘になってもらいたいんやけど… ｣
｢ 確かにせやな ｣
坂田家はいつでも大歓迎やから、そうお父さんに微笑まれれば、頬を伝う涙。あぁ、どうしてこんなにも 私の周りは優しい人たちばかりなのだろう。
泣いている私を、さかたんとお父さんは 暖かい目で静かに見守ってくれた。
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零生(プロフ) - とど!さん» 素晴らしい作品たくさんありますよね！ (2017年10月6日 18時) (
レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
とど! - 最近神作多い、、、 (2017年10月6日 18時) (レス) id: e86dc1fb73 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - きつねびさん» 悪いけど狐日和日和は書かないよ…() (2017年9月24日 22時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
きつねび(プロフ) - 日和がつくとどうしても反応してしまう() (2017年9月24日 22時) (レス) id: 3090c9cf7a (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 紫乃さん» はい！頑張りましょう(´・ω・｀)中間テスト嫌ですよね…想像するだけで鳥肌立ちます( 笑 ) (2017年9月23日 11時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
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