どこにも 80 ページ48
.
頷いた私を見ると、センラさんは満足気に笑う。それから、あれ遊びとか冗談やないから、なんて言って 真剣な表情に変わって。
｢ 最初はさ、坂田をからかおうお思ってただけやねんけど。…いつの間にか、大好きになってた ｣
｢ … ｣
｢ 大好きやで、Aちゃん ｣
見つめられてそんなこと言われて、私はどんな反応を返せば良いのだろうか。
朝早い時間だからなのか、二人に流れる雰囲気が独特だからか、その告白はやに夢見心地で現実な感じがしなくて。
私は、あ…だの えっと…だの そんな言葉を口から零すぐらいの事しかできなかった。
｢ 一回さ、整理してみればええと思うよ ｣
｢ 整理… ｣
｢ 今、Aちゃん 大混乱中やろ。ただでさえ学校とか家庭とかで色々あるのに、俺とか…まぁ他の色んな人に告白されたりとか ｣
その言葉に素直に頷けなかったのは、センラさんを傷ついてしまいそうだから。
センラさんの言葉に頷けば、センラさんの告白は迷惑だったってことになりそうな気がしたのだ。
…私は別に、まふくんを始め、さかたん そらるさん センラさんの気持ちは決して迷惑なんかには感じていない。
確かに、返事に困ったり 混乱したりすることはあれど、迷惑だとか嫌だなんて思った時は一瞬たりともなかった。
無言で突っ立っている私を見て、センラさんは ふはっと吹き出す。それと共に、私たちの周りを包んでいた不思議な空気は消え去って。
私とセンラさん。いつもの空気に元通りだ。
｢ ほんとなんか、ウブやねぇ… ｣
｢ 馬鹿にしてます？ ｣
｢ うん、まぁまぁ ｣
なんてな、嘘やで。とクスクス笑う所が どうしようもなく私と違って 大人に見えた。
センラさんはそれから、まだ眠いからもう一眠りしてくるわ〜 なんて身体を伸ばしながらキッチンを出ていった。
朝ごはん作りの作業を再開させながら、私は 自分の気持ち 状況 告白してくれた相手の事を しっかりと整理する時間を作ろうと 心に決めたのであった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1518人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零生(プロフ) - とど!さん» 素晴らしい作品たくさんありますよね！ (2017年10月6日 18時) (
レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
とど! - 最近神作多い、、、 (2017年10月6日 18時) (レス) id: e86dc1fb73 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - きつねびさん» 悪いけど狐日和日和は書かないよ…() (2017年9月24日 22時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
きつねび(プロフ) - 日和がつくとどうしても反応してしまう() (2017年9月24日 22時) (レス) id: 3090c9cf7a (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 紫乃さん» はい！頑張りましょう(´・ω・｀)中間テスト嫌ですよね…想像するだけで鳥肌立ちます( 笑 ) (2017年9月23日 11時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
