【WT】この気持ちに名前をつけるとするならば【短編・中編集】

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『着いた〜っ！』

br「ふぉーー！」

電車で1時間半。
超どデカいプールに来た。

『ほら、早く行こ！』

br「あの、A。」

『なーに？』

br「ろ、露出……」

『べっ、別にいいでしょっ!?水着なんだし…』

br「ふ〜ん。」

まぁ僕はそういうの気にしない派だから。
Aの顔が赤いのは、気にしないでおこう。

『ぶっ、ぶるっく！これ、、』

彼女が指をさしたのは長いスライダー。

『い、行ってもいい？』

br「どーぞー。」

『じゃなくてっ！』

br「ん？」

『一緒に行くのっ！』

br「えっ、えぇぇ〜。」

楽しそうだし、いいんだけどさ。

無理やり強引に手を引かれ階段を登っていく。
やっぱりなんか今日は、楽しい。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
『っは〜、楽しかった。』

気付けば外は綺麗な夕焼けが出ていて、プールも閉園まであともう少しだった。

br「そろそろ帰ろっか、A。」

『あの、さ。』

br「なに？」

『私のヘアピン、見た？星のやつ。』

いつもAが付けてるヘアピンか。
確かに今日もつけてた。

br「ないの？」

『う、うん。ま、まぁいいや、帰ろ。』

br「っあー。僕さ、外のプールサイドにサンダル置いてきちゃった。」

『え？』

br「ちょっと持ってくるからさ、先更衣室入っててよ。寒いでしょ？」

室内のプールはクーラーが効いていてちょっと寒かった。

『えっ、でも。』

br「ほーら、早く。」

『うっ、うん。早く帰ってきてよ。更衣室出たとこで待ってるから。』

br「はいはい、じゃ、また後で。」

外に出ていくフリをして物陰に隠れる。

Aがここから出ていくのを見た後にすぐにプールの中に入る。

ゴーグルをつけて、奥深くまで潜る。

室内プールは全部で8つ。
早く、早く見つけないと。

ここはないから、次のプールに入る。

これを何回も繰り返す。

排気口にはいりそうだったキラキラした何かを見つけ、そこに向かう。

案の定、それはAのヘアピンだった。

br「あった、良かった。」

プールの水がさっきよりも全然冷たくて、寒気がする。

br「くしゅっ。」

もしかしたら風邪引いちゃったかも。

でも、Aの為なら。

『な、なにやってんの！！』

そこには怒ったAがいた。

br「あ、たまたま見つけたの。ヘアピン。
っていうか、まだ着替えてなかったの？」

『嘘つきっ！』

br「えっ、？」

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