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400、初めて ページ4

とうとう壁に追い込まれ逃げ場がなくなり、タツヤはAに手を伸ばす。

心臓が大きく音を立てながら、ギュッと目を閉じた。

タツヤの手が髪にそっと触れたと思ったら、すぐに離した。

「……ん?」

「うん、取れた」

そっと目を開けると、タツヤの手に乗せられているのは、Aが倒れた時についたのであろう土。

(ただ取ってくれただけかい!!)

一気にAの体から力が抜けた。

何て恥ずかしい勘違いを。穴があったら入りたい。

そんなAの心情を読んだのか、タツヤは意地悪に笑う。

「可愛い反応するね。キスされると思った?」

「!!」

珍しくタツヤから揶揄われている。そもそもあなた本当にタツヤか?いつもと様子が違うぞ?

「キスもしてないのにあんな反応するなら……ヒロトとの時はどんな顔してたんだろうな」

「はっ?」

「心当たりならあるだろ。壮行会の終盤でのこと」

「!!?」

ある。確かにある。

だが何でそれを知ってるのかと思っていると、彼は拗ねたように言う。

「……見えたんだ、あの日…ヒロトにキスされてるとこ。…見たくて見たわけじゃなかったのに」

「!!!!??」

何!?見られてたの!?あの時!?

うわああああああ穴があったら入りたい!!!

…と叫びたくなる気持ちをグッと抑える。
Aが何か言うよりも先にタツヤが口を開く。

「…キス、ヒロトが初めてだった?」

「!?」

真剣な表情でとんでもないことを尋ねてきた。

「な、何でそんなこと…」

「…答えたくないなら答えなくてもいいけど」

それを言ったところで失うものなどないだろうと思い、恥ずかしながらも答えた。

「……は…初めて……だったけど……」

自分から聞いたはずだが、顔を真っ赤にしながら答えるAを見てタツヤはムッとした。

「…そっか。悔しいな…」

「?」

「俺もこれからもっと頑張らないといけないね」

「頑張る…?何を」

ただでさえ自分の気持ちに気づくのが遅かったのに、これ以上遅れは取りたくない。
もうAの何も奪われたくない。
この人は絶対に自分のものにしてみせる。

401、クラリオくんマニア→←399、心配させて



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設定タグ:イナズマイレブン , オリオンの刻印 , イナオリ   
作品ジャンル:アニメ
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紅葉 - あああさん» コメントありがとうございます!更新及び返信が遅くなり大変申し訳ございません。亀更新になるとは思いますがこれからも頑張ります! (2020年3月3日 3時) (レス) id: bcd97f376b (このIDを非表示/違反報告)
あああ - 何度も読み返ししてます!!紅葉さんの作る話が面白くてすごく続きが気になります!このシリーズが好きで毎日チェックしてます笑ヒロトが特に好きなので出てくる度にうぉぉおってなります更新いつまでも待ってます!!無理せず更新頑張ってください!応援してます (2020年2月11日 20時) (レス) id: de8812076d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉 | 作成日時:2019年12月4日 0時

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