十一 ページ11
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「じゃあ、大学に行ってくるよ。
好きにしていいからね。ゆっくりしてて」
「おー。足の踏み場もないくらい散らかしといてやるよ」
「ふふ。その時は覚悟しておくといいよ」
「っ……早く行け。邪魔だ」
「うん。じゃあまたね」
ユンギは、かなり分かりやすい。
昨日出会ったときは酷く人間を恨んでいるようだったのに、
今は口は悪いがそこまで敵対心を剥き出しにはしていない。
それに少し脅すとすぐに折れる。
とても単純だ。
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「あ、A！」
「ジウ。おはよう」
「おはよう。
ところで。一応聞くけど、約束、覚えてるわよね？」
「……約束？何かした？」
そう言うと、大きくため息をつくジウ。
いや、本当に思い出せない。
今日は午前の講義だけで、そのあとは自由のはず。
何か大切な約束でもしていただろうか。
「カフェ！行くって約束したでしょ！」
「……あぁ。そうだった」
「ほんっと、忘れすぎ。
昨日約束したのに、なんで忘れちゃうのさ」
「ごめん。でもこれは……」
「自分でもよく分からない、でしょ。
知ってるわよ。何年一緒にいると思ってるの」
「……ごめん」
私は色々なことを忘れやすい。
本当に大事なことや、意図的に覚えたこと関しては忘れない。
けれど、約束事や人や建物の名前、
道などの小さなことはすぐに忘れてしまう。
それは思い出も同じ。
だから私には昔の記憶があまりない。
自分がどこで、どうやって過ごしてきたのかも全てうろ覚え。
学生時代に関してはジウのおかげで何とか記憶を保てている。
それでも、ジウに会う以前の記憶がどうやっても思い出せない。
そしてこれが一体何なのかは、私自身もよく分っていない。
「とにかく、講義が終わったら行くんだからね！」
「分かったよ。また教えて」
「全く、世話が焼ける子ね」
こんな私を、周りは常に冷たい目で見ていた。
けれど、私も特に気にしてはいなかった。
だから友達もできなかった。
まあ、そもそも作る気もなかったけれど。
だけど、ジウだけは。
離れずにずっとそばにいてくれた。
彼女だけが、私の唯一の友達だ。
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閔(プロフ) - cookyさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(*´∀｀*) こういう不思議な世界観が本当に大好きで、まだまだ表現不足ですがこの世界観を皆さまにも感じていただけたらなぁと思います！あまり見ない設定だなと思ってはいますが、皆さまがより引き込まれるように頑張ります！ (2020年5月15日 14時) (
レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
cooky(プロフ) - とても不思議な世界観でとてもおもしろいなと引き込まれました。これからも頑張ってください！ (2020年5月15日 11時) (レス) id: 55ebdcbd41 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - ふふ‥ユンギさんは猫っぽいですしね。ユンギさんが猫なら真っ白なツンデレペルシャ猫かな(^o^) (2020年5月12日 21時) (レス) id: f18c1da2b8 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - ぽちこさん» ぽちこさん！ありがとうございます(*´∀｀*) こういうお話大好きなんです！わわ、気付かれましたか！？気付いていただけて嬉しいです！ ぽちこさんのそのお言葉に本当に救われています。ありがとうございます(*´∀｀*) これからも頑張ります！よろしくお願いします！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - こういうお話も書けるなんて‥！閔ちゃんすごいです。お話に引き込まれました。最初に出てきた猫の口調からユンギさんだとすぐに気づきました。他の方のコメントにもあるようにイタズラで低評価つける方がいるかもしれません。早速お気に入りにさせていただきました！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: f18c1da2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：閔
| 作成日時：2020年5月1日 22時
