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「ホソク君?」
名前を呼ばれて後ろを振り向くと、そこには今一番会いたくない人がいた。
「……どうも」
「2年ぶり……だね。元気にしてた?」
「……まあ」
「そっか」
眉を下げて笑うソクジンさん。
この人はいつもそうだ。
何もしてないくせにいつも自嘲気味に笑って。
誰よりも悲しそうに笑う。
俺はその笑顔が嫌いだった。
ちょっと話そうか、と言われ適当にベンチに座る。
「……A、どう?最近会えてなくて」
「どうって……いつも通りですけど」
「あの日、俺が無理を言ったから……君にも迷惑をかけてるのは分かってるんだ」
わかってるなら、なんでやめない?
わかってるなら、どうしてAを縛りつける?
あんたは何も分かってない。
「A、俺のあげたネックレスつけてくれてる?」
「あぁ、毎日つけてますよ。大事にしてます」
「そっか。よかった」
安心したように笑うソクジンさん。
本当に心からAが好きなんだろう。
Aが毎日ネックレスをつけてるのはほんと。
でもそれは、ソクジンさんとあいつがあげたものの2つ。
どっちも大切だからって、片時も離さない。
それが2人を傷つける身勝手な行為だとも知らずに。
「Aによろしく」
「……っす」
そう言って笑った顔があいつにそっくりで、思わず息を飲んだ。
遠ざかるソクジンさんの背中に、ため息が出る。
ほんと、血は侮れないってか。
ふとした時に似すぎて怖くなる。
「……けどまあ、俺はあんたのこと嫌いだけど」
ナムジュンの正真正銘、血の繋がった兄弟。
あいつも慕ってたし、こんな俺たちとも仲良くしてくれた。
でも、ナムジュンが死んで、あいつの気持ちだって知ってたはずなのに
あの人は、
ソクジンさんは、Aを奪った。
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pcmtpok(プロフ) - もう…全員好きすぎて、乙ゲーみたく7人の全員とそれぞれの世界線で結ばれるところが見たくなりました…それほど素敵なお話でした…闇ホソク大好物です… (2021年7月16日 15時) (レス) id: 38f5a8f116 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - もちさん» あら、両思いですね(くたばれ) やー、好きだなんて......へへ、ありがとうございます!うふふ、もちさんに応援もしてもらったのでなんだか頑張れそうです。私も応援してます!お互い頑張りましょうね! (2019年10月23日 7時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - 閔さん» え!?!?!そんな恐れ多いのはこちらです!!!私もファンで…。え…もう、両思いなんですかね?!(殴)閔さんの作品好きです…更新待ってます…、もう、今日はいい夢見れそうです…嬉しすぎて…。ひやぁ…私も頑張ります…。 (2019年10月23日 1時) (レス) id: 5cc83dbd06 (このIDを非表示/違反報告)
閔(プロフ) - もちさん» ありがとうございます!実は私、もち様のお話ずっと読ませていただいていました...(陰ながらのファンです)まさかもち様から直々にコメントをいただけるなんて......この上ない喜びを感じております()閔、がんばります← (2019年10月22日 23時) (レス) id: 61c94025e1 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - 切ない感じですね…。ジンニムの人の良さに惚れました。ブラックホソクもかっこいいです…。更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2019年10月22日 23時) (レス) id: 5cc83dbd06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:閔 | 作成日時:2019年10月13日 9時