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「おはよー」


いつも以上にゆるっとした声で玉森が入ってきた。


「たま、おはようー!」


元気いっぱいに宮田が挨拶するのにはよ、とテンション低く返しソファに向かって歩いていく。


北山の横を通り過ぎる時「ん?」と言うと、後ろから一回り小さな肩に頭を乗せた。


「おわっ」
「ミツ香水変えた?」
「え、わかんの? やっぱ付けすぎたかな」


そう言って北山は、また手首の内側をくんくんと匂いだした。


「いい匂いー」


そんな北山の首元に鼻を寄せ、玉森もくんくんと嗅いでいる。


「ちょっ、くすぐってーからっ」
「大人しくして」
「大人しくって……」


素直に大人しくなる北山は誰よりも玉森に甘い。


「んー、この匂い好き。どこの?」
「たまもいい匂いじゃん」
「あ、そう?」
「それにたま、お揃いとか嫌いだろ」
「あ、確かに。悩むー」
「絶対悩んでねーし」


んーんーと唸っていた玉森がそうだ! と勢いよく顔を上げた。



「俺の香水あげるからミツのちょうだい」
「はあ? なんでやんなきゃなんねーんだよ」
「だってその香水つけたいし」
「買ったばっかだし無理」
「そんなこと言わずにさー」


このままだと押し切られてしまうんじゃないかって何故かハラハラしながら見ていると一瞬、北山と目が合った。

驚いたような顔をしたがすぐに逸らされ、北山は玉森に向き直った。


「これはマジで気に入ってるから駄目」
「えー、ミツのけち」
「ケチじゃねーだろ、普通だから」


玉森は子供のような文句を言いながらソファに座り、宮田を呼び付けている。

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ちび(プロフ) - めっちゃ引き込まれました、映像化して欲しいぐらいですわ、はいFKYの空気観、めっちゃ好きで仲良しな3人な感じで⚪︎読み応えありました、また読みにきますね⚪︎ (2023年3月21日 20時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ちびさん» ちびさん、こんばんは。こんな長い話を読んで頂きありがとうございます!FKYがお好きなんですね(*´-`)そして汗かくぐらい応援して頂きありがとうございます!この話は長く書いてましたし思い入れのある作品なので楽しんで頂けて嬉しかったです。ありがとうございます! (2023年3月21日 20時) (レス) id: 4781cdc11c (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - めっちゃ楽しいです。私藤北と横尾さんな感じめっちゃ好きでミツ頑張っていけ、もうちょっとだと、もう汗かくぐらい応援しちゃいました、めっちゃ楽しかったし、横さん良い、アシストしますよね❤️さすがです、藤北素直になってよてね⚪︎ (2023年3月18日 10時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 蒼井あゆみさん» 蒼井あゆみさん、初めまして!Kさんの気持ちに寄り添い胸を痛めて頂きありがとうございます!自分の気持ちの変化に戸惑うFさんとそんなFさんに戸惑い揺れるKさんを今後とも見守って頂けると嬉しいです。コメント本当にありがとうございました!(〃ω〃) (2019年4月15日 18時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井あゆみ(プロフ) - くらげさん、はじめまして。初めてコメントします。読み進めながらみっくんの感情の揺れに胸が痛くなります。藤ヶ谷さんの気持ちの変化がうまく伝わってほしい!と願っています。引き込まれています。続き楽しみにしています! (2019年4月14日 22時) (レス) id: d97694ef20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらげ | 作成日時:2019年3月13日 0時

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