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「俺を？ へえ、そうなんだ」
何でもないように装う口の端が嬉しそうに上がる。
可愛い。嬉しい。苦しい。好き。
沢山の感情が波のように溢れてくる。
「なあ、藤ヶ谷」
「ん？」
穏やかな顔で俺を見る。
こんな表情はもう見られないかもしれないと、しっかり目に焼き付ける。
「俺、藤ヶ谷が好きだよ」
「……え？」
「半年前も言ったけど、今でも気持ちは変わらない。むしろ一緒にいるようになってもっと好きになった」
震えそうになるのを必死に耐え、藤ヶ谷に届くように言葉にする。
「俺と付き合って欲しい」
好きだと伝えるだけでいいなんて思わない。好きだから付き合って欲しいし、俺を好きになって欲しい。
この気持ちが真っ直ぐ伝わるように目を見て言った。
藤ヶ谷は目を真ん丸にして俺を見つめている。こんな風に言われるなんて思ってもいなかったのだろう。
戸惑うように視線が揺れ、微かに唇が動くが言葉として何か紡がれることはない。
「こんなに好きなのに……駄目？」
続く沈黙に女々しいくらい縋ってみても、藤ヶ谷の口が動くことはなかった。
困らせていると思う。ただただ藤ヶ谷を困らせている。
「……やっぱ駄目かぁー！ 結構頑張ったんだけどなー」
だからもうこれ以上はやめようと思った。
これ以上、何を言っても藤ヶ谷を困らせる。
「でも仕方ないよな。これですっぱりさっぱり諦めるわ。今まで付き合わせて悪かったな。これからは今まで通りでよろしく」
笑顔のまま一気に言った。そうじゃなければ途中で言葉に詰まってしまいそうだった。
藤ヶ谷は戸惑った顔をしていた。さっきまで楽しそうだったの、その笑顔を奪ったことが悲しい。
土手の上にタクシーが止まったのが見えた。
ここに来る前にタクシーを呼んでおいてよかったと、タイミングの良さにほっとしながら笑顔を向ける。
「ほら、タクシー来たぞ」
「え、でも……」
「はい、乗った乗った」
なかなか足の動かない背中を押し土手を上がると、タクシーに押し込み藤ヶ谷の住所を伝える。
「北山は？」
「俺は後から帰るわ」
「でもこんなとこなかなかタクシー来ないし……」
「今時どっからでも呼べるから」
藤ヶ谷は優しい。こんな時でも俺に気を遣ってくれる。
「でも」
「じゃあ、また仕事でな」
言い募る藤ヶ谷の言葉を切り、運転手にお願いしますと言うとドアが閉まった。
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くらげ(プロフ) - まちゅみさん» まちゅみさん、お久しぶりです！お忙しい中、読んで下さった上にコメントまで頂きとても嬉しいです(*´ω`*)そしてKさんと一緒に泣いて下さってありがとうございます(;_;)今�い鯑匹鵑撚爾気辰討い襪里�なと思うと緊張しますが（笑）最後まで読んで頂けると嬉しいです！ (2019年12月16日 22時) (
レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
まちゅみ(プロフ) - くらげさん、お久しぶりです！半年くらい読むのを離れていたのですが。。。うわ〜ん(つд；*)胸のあたりがきゅぅっとしました。北山くんと一緒に号泣です。どうしても伝えたくて今さらながらコメントしました。このまま�い眛匹濘覆瓩泙� (2019年12月16日 20時) (レス) id: 3adf70ee92 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - makoanjyuさん» makoanjyuさん、いつもありがとうございます！苦しみ揺れるKさんがこの後どうなっていくのか、そしてFさんをはじめ色々な視点が交わってまたこの恋が動いていく予定ですので移行後も引き続き読んで頂けると嬉しいです(*≧∀≦*)コメント本当にありがとうございました！ (2019年5月16日 20時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
makoanjyu(プロフ) - 更新ありがとうござます！FKの心の距離がゆっくり近付いた半年間。でも遅咲きの桜の下でFさんへの再告白に返事を貰えず自分の恋心を断ち切る決心をするのに苦しみ涙するKさん。Fさん視点からのこの恋の行方を早く読みたくて震えてます♪(´ε｀ ) (2019年5月15日 23時) (レス) id: 0af91584b9 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - yikumiさん» yikumiさん、こんばんは！最初から読んで頂いていたなんて…！コメントまで頂き本当にありがとうございます(；ω；)好き故に揺れる想いも書きたかったのでそう言って貰えて嬉しいです。次はFさんはじめ色々な視点が入ってきますので引き続き読んで頂けたら嬉しいです！ (2019年5月15日 18時) (レス) id: b17685444c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらげ
| 作成日時：2019年4月15日 18時
