夏の涼しさを求めた結果

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「まずはお互いの事をよく知らないといけないと思う。家族の前でボロが出るといけないし。僕からお願いしてるわけだし、とりあえず僕の事から話すね。」


すると佳主馬は持ってきた大きな鞄から1台のノートパソコンを取り出した。
カタカタとしばらく弄った後パソコンをくるりと180°回転させ、Aに画面を見せた。



『？』

「はい、これ僕のアバター。」


画面にはゴーグルを着けてベストを着ているうさぎのアバターが写っていた。うさ耳だかと言っても萌え萌え系ではなく、萌え系には縁もなさそうな恐い顔をしてる。

――――そして、腰にはOMCのチャンピオンベルトが巻かれていた。


『……キング・カズマ』


「そ。それが僕のアバター。OZが原因で小学生の時にいじめられてたから中学校ではあんまりキング・カズマの事言ってないんだ。」


『池沢君がいじめられてたの！？池沢君って強いっていうかクールっていうかそんなイメージだったから…何か意外。』

少しずつうつむきながら驚き、口に手を当てながら、なんかずけずけとごめん…彼女は言った。


「別に構わないよ。昔はOMCとリアルで強さが全然違くて、OMCで勝ったクラスメイトにリアルでいじめられた。
まぁ今は“師匠”に少林寺拳法教わって強くなったからリアルでもOMCでも強いけどね。」

少しドヤ顔をしながら佳主馬が言った。
ドヤ顔がなかなか決まっている。




「僕の隠してる事は話したよ、次は紅月が話す番だ。」


すると、Aはすっと真顔になって、

『話す前に私の隠し事は学校の誰にも言わないって約束してくれる？学校の人じゃなくても佳主馬と佳主馬の親戚意外の誰にも私の秘密は言わないと約束してくれる？』

いつもふんわり笑っているAとは違って、真顔で話しかけてくるAは少し恐い。…肌が白すぎる為幽霊みたいでかなりホラーみが溢れている。


しかし、佳主馬はAの幽霊フェイスに動じず

「いいよ、約束する。」

と、同じく真顔で答えた。

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