夏の涼しさを求めた結果

3 ページ5

―――――次の日


いつも無表情の佳主馬が珍しく、感情(不機嫌)を顔に出していた。とても不機嫌そうである。

(夏休みは基本家かネットカフェいるから夏休みまでには彼女役探さないといけないけど、夏休みまであと5日しか無いし。大体僕女子と話さないし。そもそも夏希姉が余計なことを言わなきゃ……………)

佳主馬はそんな事をぶつぶつ考えながら席に着いた。どうやら、彼女をつくるのははなから諦め、彼女役を探すルートで行くらしい。


佳主馬が真剣に悩んでる隣で、死人のような白い顔が心配そうに佳主馬を見て言った

『池沢君大丈夫？体調悪いの？』


「え？いや、大丈夫。」


『本当？無理しないでね。今日は暑いから熱中症に注意だってニュースでやってたから気をつけてね。』


なんて優しい言葉をかけ、ほほ笑みかける隣の席の紅月A。


そんな様子を見た周りの女子は

「あの顔の池沢に話かけてるよ。凄くない？」
「それな〜、今日は一段と話し掛けずら仏頂面してる！」
「流石、Aちゃんは相変わらず優しいよね。」
「でも池沢君と会話とか少し羨ましいかも〜。」

なんて会話をしてる。


どうやら佳主馬は女子には好かれているが、その表情が原因で皆近寄って来ないようだ。
そして、Aはクラスでは優しい系女子として認識されてるらしい。


そこへ担任が

「はーい、朝の会始めるわよー。席に座って！」

と、号令をかけてこれらのやり取りに終止符をうった。

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す