夏の涼しさを求めた結果

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｢まず初めに気になるのは、どちらが告白したんだい？｣


(初っ端から困る質問きたーーーーー!!!!!!)
2人は同時に思った。







時は数分遡る。



栄の部屋に行く前に佳主馬とAはささやかな作戦会議をしていた。その会議で決まったのは«なるべく嘘をつかない»だ。

佳主馬曰く、栄は相手の嘘を見抜くことが出来る、いわばチート能力的なものを持っているらしい。この能力を仮に【フェイクブレイク(笑)】と名付けよう。

フェイクブレイク(笑)は、相手の目、行動、声色、空気などなどから相手が嘘をついているか判断するらしい。


Aは初め『そんなの私の演技力にかかれば·····』なんて言っていたが、佳主馬に0.3秒で却下された。

栄のフェイクブレイク(笑)は戦闘力53万をゆうに越してるらしく、並大抵の暗殺者の嘘も見抜けてしまうレベルらしい。


よって暗殺者でも無ければ宝塚の役者でも無いただのゲーマー共が勝てる相手ではないのだ。




そしてこの危機的状況を打開する作戦が«なるべく嘘をつかない»だ。

ちなみに原理としては本当にあったことを元にすれば、本当の事を話してるも同然となり、顔に出にくくなる、というかなーり浅はかな考えを元にしている。







この作戦で絶対行けると確信していた2人は栄が質問をした｢どちらが告白したか｣という質問にめちゃめちゃ困っていた。

何故ならこの2人の関係の始まりは一体どこなのか分かったもんじゃないからだ。


最初に田舎に行きたいと言ったのはAだが、上田に一緒に来ない？と誘ったのは佳主馬だ。

更に佳主馬のゴッドフェイスを超絶好きになり、彼女っぽく｢佳主馬しゅき♥｣とほざき始めたのはAだ、しかし先に自分の秘密を話して心理的に距離を縮めたのは佳主馬だ。


結果この2人の始まりは、どっちから、なんて簡単な事では無いのである。


このことを約2.13秒で考えたAと佳主馬は、二人揃って真顔で(ヤバい·····！)と思っていた。

しかしこれ以上時間をかけたら怪しまれる、絶体絶命の大ピンチ·····!!!!!!

3.04秒辺りでAの表情筋が死んできた時、佳主馬が言葉を発した。



｢僕。｣

真顔で言葉を発した。


｢おや、まぁ。｣

驚いた顔で栄が言った。


(！？！？！？)

ちょっと頭が宇宙のAは佳主馬の言葉を理解できてなかった。

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