夏の涼しさを求めた結果

19 ページ21

駅のホームでも電車の中でもAのテンションは絶好調で、今にも鼻歌をうたいだしそうな雰囲気だった。


また、駅などの人が集まる場所は外国人等も多くAのイケメン&美少女センサーが働きまくってた。

『ねぇねぇ！佳主馬そこの金髪碧眼のお兄さんちょーイケメンじゃない！？写真とって良いかな？』

と言いながらケータイのカメラ機能起動させてたり、

『うわぁ……！！！！！あそこにいる茶髪のお姉さんめっちゃ美人なんだけど！！！ナンパしてこようかな…………』

なんてアブナイ発言がしばしばあったりした。



電車に乗ってからもAのテンションは変わらず、常識はわきまえているのかギャーギャー騒ぎはしなかったが、時たまイケメンor美人を見つけては目を輝かせてケータイに手を伸ばしかけてた。(盗撮ダメ絶対)



佳主馬はそんなAをお構い無しに(先日の買い物でAの事は良く理解し、早くも扱いに慣れた。)明日のOMCの事を考えていた。

そこでふと佳主馬は思った。この面食いはOZのcasinoにハマっていると言っていたが、いつも使っているガラケーでやっているのだろうか？casinoと言うだけに現金は賭けているのだろうか？
佳主馬は同じOZでの活動者としてわりマジで気になってきたので、今止まった駅で乗ってきた容姿の整った学生に目を輝かせているAに聞いてみることにした。



「A。」


『ん？どうした？あ、そこに座ったおねーさん私のだからね。』


「AってOZやるときってケータイでやってんの？」

佳主馬のスルースキルがさらに磨きかかった事が伺える。


『なーんだ、そんなことか。佳主馬イケメンだからおねーさんとられるかと思った。』


「………………。」

the無表情な佳主馬。


『スルースキル上がったね〜。』

そんな佳主馬にケタケタ笑いながらAは言う。


『で、OZをケータイでやってるかだっけ？連絡とか日常的なものはケータイでやってるよ。でも……』

と、言いニヤニヤしながらAは持っていた鞄の中からノートパソコンを取り出した。

『じゃじゃーん！casinoはこの愛用のノーパソちゃんを使っております。いやぁ〜、ガラケーだと画質悪いしキャラがデフォルメだし見れる情報限られてるし、良いこと無いから、ちょっと奮発して約１年分のお小遣いと今年のお年玉使って買っちゃったんだよね〜』

Aが持っているパソコンは佳主馬の目から見てもなかなか良いもので、そこらへんの安いやつではなさそうだ。

20→←18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す