数えて、今がある。

友達、結集 ページ11

「彩、あたし撮影でハワイから帰ってきてんの。真理子も来るって。駅前のスタバで、会える？」

久し振りに、親友から、連絡がきた。

親友、と言っても、直接顔を合わせる機会は少なく、連絡先を交換して、たまに電話で

喋る、ってくらいしか、最近はしてないかな。

大人になって、大学卒業してからは、お互いに、どんな顔になったのか、とか、

身長が変わったのか、とか、髪型が変わった、とか、一切しらないんだ。

その子の名前は、武田菜穂。

実はね、中学生時代は、すごく仲悪かったんだ。

でも、菜穂は精神的な病気が発覚したものだから、入院した。

その直前、菜穂は、友達になってくれる、と言ってくれたんだ。

すごく、嬉しかったよ。

どんなにぶつかっても、人は友達になれるんだって分かったから。

で、真理子というのは佐田真理子、通称マリンの事。

・・・実は、マリンとも、仲悪かったんだよねえ・・・

でも、その子と、えっと、ホウレンソウのおかげで、仲良くなったかな・・・？

「時間は、１時から。どう？」

私はいいよ、と返事を返した。

小説も、完結したし、編集者さんとの話し合い、打ち合わせもない。

やった、菜穂とマリンに会えるっ！



「よお」

最初に私が４人席に座って待っていると、マリンがやってきた。

「小説読んだぞ。映画化おめでと」

あ、読んでくれたんだ！

「ありがとう、マリンは今なにやってるの？」

マリンはにこにこ微笑む。

「あたしは、まだ大学在学中だ！」

自信たっぷりにそう言うものだから、びっくり。

「どこの大学？」

マリンはメニュー表を見ながら、答える。

「早海」

へえ。

「あたし、中学の時は大学入るなんて、思ってなかった。やっぱ、変わるもんだよなあ」

ん、そうだねえ。

「遅くなってごめん」

よく通る声が聞こえた。

そこにいたのは、ストレートロングヘアが綺麗な菜穂だった。

薄いサングラスをかけている。

「撮影が長引いたから」

わあ、すごい！

「菜穂、モデルになったんだって？すげーな！」

好奇心溢れる目でマリンが見ていると、菜穂が自信ありげに微笑む。

「ええ。もともと好きだったし、ファッション関係は」

確かに、中学の時はファッションの話、たくさんしてたね。

「彩、映画化おめでとう！今度、見に行くわ！」

ん、ありがとう！

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