第26話 ページ28
主人公side
「あ、あの!本当は3連休部活だったんです。東さんさえ、予定がなくて、お暇だったら……」
夕陽が眩しく、辺りがオレンジになった頃。
そろそろお開きにするかってラケットをバッグにしまっている時だった。
顔を赤くしながら、ラケットを抱きしめながらもごもごとする桜乃ちゃんは夕陽効果もあってとても可愛く見え、思わずじっと見てしまう。
俺の視線に気づいたのか、やっぱりなんでもないと桜乃ちゃんはそそくさとラケットをバッグにしまいだした。
「いいぜ。明日も明後日も」
「え?」
「いつでも、付き合ってやるよ」
嬉しそうに笑う桜乃ちゃんをいつもの場所まで送って行く。
勿論、道中はテニスのアドバイスばかり。努力家なんだろう、俺の話を真剣に聞いてる。テニスが好きな事が伝わってきて、どうにかこの子を上手く出来る様にしてやりたいって思った。
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「フォーム崩れてんぞ!」
「は、はい!」
どこぞのスパルタ漫画だってくらい、桜乃ちゃんをしごいてた。それでも、嬉しそうにラケットを振る姿に胸の高鳴りが止まない。
たった1日で、本当に軽い打ち合いなら出来るようになった桜乃ちゃん。ヘロヘロボールやネットを越えなかった子が1日でこれだけの成長を見せるのは持っている才能か、はたまた俺の教え上手か。
「力み過ぎだ!膝も伸びてきてんぞ!」
「はい!」
弱音を吐かないのは、ずっと壁打ちばかりでろくな指導を受けなかったからか。なんでもいい。弱音を吐かない奴は伸びる。
真剣な表情でボールをしっかり見てラケットを振っている、だからボールが変な方向に飛ばないし空振りも無くなった。本当、教え甲斐のある子だ。
「これでストロークはある程度になっただろ。次はボレー練習にでも入るか」
「え!?で、でも私まだまだ……」
「ラリー、ずーっと続いてたんだぜ?他の練習もしてラリーの幅広げんぞ」
「はい!」
きらきらと目を輝かせる桜乃ちゃんに思わず心臓が止まりそうになる。殺人級の可愛さに、変な声を出さないよう堪えた。
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バンビ(プロフ) - 猫好きさん» ありがとうございます。更新がゆっくりになってしまっていますが、続編をポチポチと作成していますのでそちらも続けて読んでいただけるように頑張らせて頂きます。 (2020年9月4日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
猫好き(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみなので、これからも更新頑張ってください! (2020年9月3日 18時) (レス) id: 9581fd09d5 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - わんにゃんさん» ありがとうございます。中々更新できず申し訳ありません!!できるだけ早く更新できるよう頑張らせて頂きます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
わんにゃん - とても面白くてこの作品大好きで応援しています!頑張ってください、楽しみにまってます!! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 6ebda506cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年1月2日 17時