【薄桜鬼】～感情のない忍び～ (ページ6)

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「ん？今日は二人が作ったのに飯がうめえな」

「失礼だな、左之さん」

味噌汁を飲みながら呟いた原田の言葉に、沖田は不服そうに顔をしかめる。原田は思わず苦笑しながら「すまん」と謝った。

「今日はAが手伝ってくれたのだ」

斎藤が冷静に告げると、周りの皆は一斉に私を見た。

「ほう！A君は料理が得意なのか！」

『得意というほどでもありませんよ』

近藤にやんわりそう言うが、期待の眼差しは消えない。気まずかったので、思わず目線を逸らす。

「本当にAさんの料理は美味しいです！今度、よかったら教えてください！」

雪村が少し照れたようにそう言ってくるから、私は無表情で

「雪村になら喜んで教える」

と、適当にあしらった…つもりだった。
だが、雪村は顔を赤く染めると、恥ずかしそうにうつ向いた。
何を恥ずかしがっているのだろう。

問い詰める気もないので、私はそのまま食事を食べていると、不意に土方に話しかけられた。

「そうだA。お前、この後剣の稽古に付き合え」

『分かった』

特に断る理由もないので承諾する。そして、私は食べ終わった食器を片付けるため、私は立ち上がってその場を去った。