【薄桜鬼】～感情のない忍び～ (ページ11)

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八ページ11

「お前の配属決まったぞ」

『へえ。何処になった？』

「平助の隊、八番隊だ」

土方にそう言われた時は、少し驚いた。なんなとなく、藤堂は予想していなかったからである。

「改めて、これからよろしくな！」

『ああ。よろしく』

明るく挨拶をする藤堂に、私も無表情で返した。すると、藤堂がじーっと私の顔を見てくる。

『何だ？』

「いや、つくづくAって無表情だなって思ったんだよ」

『これは性分だから仕方ない』

「綺麗な顔なんだし、もう少し笑えばいいのに」

私の頬をつついてくるものだから、ぱしっ、と手を振り払う。

『余計なお世話だ』

「だって…たまに俺、Aは感情がない気がしてならねえんだもん。何か、勘で」

『！！』

藤堂の言葉に、私は思わずぴくり、と反応した。
確かに私は感情がない。だから表情もない。

それが普通だからだ。忍びは感情を持ってはいけない。

私は何となくその話に触れたくなくて、目線を逸らした。

『…………………仕方ないだろ』

「え？何か言ったか？」

『何も』

幸い私の呟きは聞こえなかったようで、ほっ、とした。

時々羨ましくなる。感情があることを。

私は幼い頃から忍びの末裔だったため、忍びの修行をやらされてきた。だから、物心ついた頃には、感情など消えていたのだ。

嬉しい、とはどんなものだろう。

悲しい、とはどんなものだろう。

感じてみたい。

そう、ほんのたまに思う。