20話 お市様 ページ22
A「秀吉様、いかなる御用で?」
秀吉「すまんな、A。こんなこと、女子のお前さんにしか頼めん」
私は秀吉様から書状を受け取った。
秀吉「お市様に渡してほしいんじゃ。・・・降伏をうながす書状じゃ。もうすぐ柴田殿の本拠を攻める。その前に、なんとしてもお市様を救いたいんじゃ・・・!」
私はすぐに北ノ庄城に向かった。
お市様「A、久しぶりです。立派になりましたね」
A「はい、お市様もご健勝の様子で。秀吉様より、書状を預かってきました」
お市様は書状を一瞥すると、私に返した。
お市「私は勝家の側を離れません。サルの気持ちだけ、受け取っておきます」
A「お市様このままでは死にます。死なないでください!皆、悲しみます」
お市「ありがとう、A。ですが、覚悟はできています」
勝家が入ってきた。
勝家「わぬしは?」
A「お初にお目にかかります。Aと申します」
勝家「誠一家の子か。(人2)殿は見事な武士であった。また(人3)殿も」
A「名高き鬼柴田様に褒められ、父も母もあの世で喜んでおります」
嘘ではなかった。姉川の後二人は鬼柴田を称賛していた。
勝家「よくぞ、参った。お市様を頼まれてくれぬか」
お市「勝家・・・嫌です。私はここであなたと共に」
勝家「恐れながら、お市様・・・」
お市「あなたは、私と一緒に悲しんでくれました。そして、笑ってくれたではありませんか。あなたは表情には出しません。でも、その感情は私に伝わっていました、ずっと・・・人の幸福を喜び、人の不幸を悲しむ。あなたもまた人間らしいお方です」
勝家「お市様・・・」
お市「A、あなたにお願いがあるの。喜びや苦しみ、楽しみや悲しみ・・・。人が人らしく生きられる世をどうか、創ってほしい。こんなことを託されても困ると思うけど・・・あなたなら、きっと出来ると信じています」
A「お市様・・・私は謝らなくてはなりません」
お市様にあったらずっと言いたかったことだ
A「10年前、父上は最後まで長政様を守れませんでした。去年は、父、長政様、仲間達を殺した信長を明智光秀殿の謀反に親子で加わり、お市様の兄上信長公を本能寺にて討ちはたしました。そして今・・・お市様自信を攻め・・・申し訳ございません」
お市「よいのです、そのような事は。その変わりしっかりと前を向いて歩みなさい」
そう言うとお市様はほほ笑んだ。今まで見た中で、一番優しい笑みだった。
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愛華(プロフ) - ありがとうございます!!紹介とは………こちらもすごく嬉しいです! (2016年1月31日 20時) (レス) id: a060b194fa (このIDを非表示/違反報告)
誾友(プロフ) - 愛華さん» もちろんです!面白い作品って言ってもらえて嬉しいし凄く光栄です!ぜひ、よろしくお願いします。この事、作品の方で紹介させてもらっても大丈夫ですか? (2016年1月31日 20時) (レス) id: a37a555b7e (このIDを非表示/違反報告)
愛華(プロフ) - ギン友さん!!お久しぶりです!今私、無双の面白い作品を集めて簡単に見れる所を作っています。ここも入れたいのですが、よろしいですか? (2016年1月31日 19時) (レス) id: a060b194fa (このIDを非表示/違反報告)
誾友(プロフ) - まな@楽器の名前は良子です。さん» ですよね(笑)見た次の日友達と議論してました(笑)(ボソッ (2015年10月20日 23時) (レス) id: c94a54016a (このIDを非表示/違反報告)
誾友(プロフ) - まなさん» あ、同じです……(コソッ (2015年10月20日 18時) (レス) id: c94a54016a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルチル | 作成日時:2014年12月23日 12時