【WT】青春待ったなし！！！！ (ページ7)

今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:8,746 hit

浮かれてるのは多分俺だけページ7

完全に早く着きすぎた。
待ち合わせまで後30分以上ある。こんなはずじゃなかったのに。

何より、あの事件以降意識してしまう自分が1番ダサい。

隠岐「はぁ〜〜……、ヒメちゃんは強敵ばっかやん…。」

意識してしまうと、全てが輝いて見えてしまう。恋ってこういうことなんやなぁ。

今日この日がセッティングできたのだって、水上先輩にこの前の試合の講評を聴きにきた時の雑談からやったし、俺に会いに来てくれたのなんて、クラスの女子に紹介される時だけやし。

完全に負け戦なんよなぁ。

『あれ？待ち合わせ時間、間違えた？』

隠岐「ヒメちゃん。いや、俺が早く着きすぎただけ。

いや〜、ヒメちゃんと出掛けるんなんか初めてやから、ちょっと浮かれてもうたわ。」

ほんまに、こんなに浮かれてるのん、俺だけなんやろうな。

てゆか、私服かわいいな。制服と隊服しか見たことなかったけど、なんかイメージと違うな。

隠岐「ヒメちゃん、私服そんなんなんや。
なんか意外やな。もっとふわふわしたスカートとか履いてるもんやと思ってたわ。」

『うん、そういう服も持ってるんだけどね。

今日は隠岐くんとお出かけだから、隠岐くんっぽい服装にしてみたの。』

ほんま、こういうとこやで。
何にも意識せんと、嬉しいことばっかり言ってくれるこの子は、前までは「猫みたいやな。」とか思ってたのに。

『逆に隠岐くんはイメージ通りというか。』

隠岐「俺は面白みのない男やからな〜。」

『そんなことないよ！なんか、自分に似合う服を知ってるって感じ。』

今日、この子の横歩いてて大丈夫かな、おれ。

『それで、おすすめの古着屋さんはどこにあるの？』

隠岐「ここの通りからちょっと外れてるんやけどな。」

『よく知ってるねぇ、私ずっと三門に住んでるけどあんまり知らないや。』

誰かと連絡を取っているであろうスマホをポケットにしまいながら、おれの隣を歩く彼女。
いい匂いがするなんて気持ち悪いことを思いながら、さっきチラリと見えたスマホを思い返す。

出水＂隠岐に迷惑かけんなよ。絶対に隠岐から離れるなよ。＂

嬉しいような、悔しいような。
ヒメちゃんも、待ち合わせ相手の俺に直接連絡してくれればいいのに。
やっぱりヒメちゃんは敵が多い。