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初顔合わせ ページ33

蔵内「お疲れ様です。」

王子「久しぶりだね、弓場さん。」


王子と蔵内が弓場隊から離脱して数ヶ月。もちろん弓場の耳にも王子隊が発足したという情報は入っていた。
今日は王子隊直々に挨拶がしたいということで、こうして食事に出掛けているわけだ。


弓場「そんなに久しぶりでもねェだろ。」

王子「そうだっけ?」

弓場「悪りィなぁ、せっかく来たのに神田と藤丸が居なくて。」

蔵内「気にしないでください。俺たちが急にお誘いしてしまったので。」

弓場「で、それが新しい隊員かァ。」

『初めまして、姫坂Aです。』

樫尾「樫尾由多嘉です!」

弓場「ポジションは。」

樫尾「俺は攻撃手です!」

『一応、射手です。』

弓場「射手と攻撃手か、王子のことだからてっきり万能手でもスカウトするのかと思ってたぜ。」

王子「新人の中で一際輝いていたからね。

それに、ヒメはいずれ万能手になる予定だよ。」


弓場「王子の好きそうな奴らだな。

…オメェらも自己紹介しろ。」

外岡「どもっす、狙撃手の外岡一斗っす。」

帯島「は,初めまして。攻撃手の帯島です。」

王子「弓場さんのところは2人新しい子を迎えたんだね。」

弓場「あァ。神田が居なくなるからなァ。」


この中で、神田に直接会ったことのない姫坂と樫尾は頭にはてなを浮かべながらも愛想笑いを浮かべていた。
意外と鈍い所のある樫尾は楽しそうに会話に加わったりしているのだが、対照的に姫坂は緊張からか食事の味もあまりわからない。


『(帰りたいよう…。)』

弓場「…姫坂ァ、今何年だ。」

『へ、あ、えと、次で高校2年生になります…。』

弓場「外岡のひとつ上か。帯島も3つ下になるから仲良くしてやってくれや。」

『は、はい…。』


目元を柔らかく緩ませ、ポンポンと緊張を和ませるかのように頭を撫でる。はい、堕ちた。

この時はまだトリオン体の弓場さんの並々ならぬ威圧感を知らなかったのだ。



──────────




弓場「テメェにも、大人しくて可愛げのある時期があったのになァ。」

『今は可愛くないってことですか!』

弓場「あの頃に比べりゃあな。」

外岡「前は弓場さん、ヒメさんのこと結構気にかけてましたよね。特に行き帰りとか。」

藤丸「まぁヒメは可愛いからな。」

『もう高校生だったんでさすがに大丈夫でしたけどね。』

弓場「何回俺が迎えに行った?」

『アレは迷っただけです。』

ある意味悪夢→←.



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作者名:通りすがりのいぬ | 作成日時:2022年3月7日 16時

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