【WT】青春待ったなし！！！！ (ページ26)

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花火まであと5分程度。俺たちの手はまだ繋がれたままだ。

適当に人通りの少ない箇所に腰掛け、仲良く喋りながら買い込んだ食事を食べている姿は、とても俺の片想いのようには見えないだろうな。

『花火もうすぐかなぁ。』

烏丸「…ヒメさんは、好きな人とかいないんですか。」

『どうしたの？急に。いないよ〜。』

烏丸「…そうですか。」

『京介は？好きな人とかいるの〜？
モテモテだから気になる人の1人や2人いるんでしょ？』

烏丸「いますよ。」

『やっぱり！どんな子？可愛い？』

まさか自分だとはつゆ知らず、茶化すように問いかけるヒメさんに、今伝えてやろうかとさえ思う。

でも普通に伝えたって、伝わらないとは言わないけれど明日には普通に戻っているだろうな。

烏丸「そうですね、可愛いですよ。
歳上ぶってるのに抜けてるとことか、すぐに泣くところとか。」

『ふぅん…、京介は歳上が好みなのか…。』

烏丸「可愛い顔して意外と好戦的なところとか、いいなって思います。」

『えぇ〜、めっちゃ好きじゃん。告白とかしないの？
京介ならいけるでしょ〜。』

あぁ、腹が立つ。
そうやって、俺の気も知らないで俺の恋路を語るのも

『京介はモテモテだからなぁ。』

そうやって、他人事のように俺のことを語るのも

『たこ焼きもーらい。』

そうやって、俺の食べ物を平気で奪っていこうとするのも。

その言動ひとつに、俺の心がどれだけ高鳴っているかを知らないのも。

今ここで、キスのひとつでもしてやったら、嫌でも自分を意識してくれるだろうか。