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2年の机に戻ってきたヒメは、相も変わらず仁礼に捕まっていた。ここまで根気強く優しく教えられるヒメは教師に向いていそうだな。


出水「(…それにしても、この机の雰囲気なんか居づれぇ〜。)」


別に悪くはない、決して。和気藹々と笑顔も溢れるし勉強だって順調に進んでいる。
チラチラと米屋がヒメのことを気にするのはいつものことだし、それにヒメが全く気付かないのもいつも通りだ。

居心地の悪さの原因はこいつしかいない。


隠岐「Aちゃん、ここってこれで合ってる?」

『えっと…、うん、大丈夫そうだよ!』

隠岐「よかったぁ、ありがとうなぁ。」


この間までは「Aちゃん」だなんて呼んでなかっただろ!しかもよりによってヒメの隣は隠岐と仁礼の2人で、俺と米屋はヒメの向かいに座っている状況だ。

米屋はヒメと一緒だといつもの3倍は集中して勉強できるのに、今日は意識の3割くらいを隠岐に持っていかれてる。
隠岐こいつ、気付いてやってんのか?


出水「あの〜、ヒメ、米屋が教えてほしい箇所が何個かあるって。
仁礼からは離れられないだろうから…。」


我ながら、苦しすぎる手出しだと思う。まぁどちらかと言うと米屋の味方だから、俺は。


『出水と席変わる…、ってそっかヒカリちゃんと離れちゃうか。』

隠岐「そんな遠くもないんやし、そのままやったら?
てか、出水くんと米屋くんが変わればええやん。それやったら正面でAちゃんも教えやすくなるやろ。」


だっから!お前と米屋が場所変われってことだよ!
こいつわざとだ…!絶対米屋の気持ちにも気付いてやがる!

ニコニコとした笑顔で俺を睨みつける隠岐。俺はヒメのことを好きにならないから効かねぇよ。


仁礼「あ!じゃあアタシとヒメが場所変わるか!
そしたらヒメの隣にアタシがいられるし、逆隣にヨネヤで正面にオキが座れんだろ!」

『そうだね、そうしようか。』


仁礼のおかげで丸く収まった。まじで俺のこの心労を返してほしい。
まぁでも、勉強しつつも戯れ合っている米屋とヒメを見て、やっぱり付き合うならこの2人がいいな だなんて考える俺も俺だな。


はぁ、疲れた。

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作者名:通りすがりのいぬ | 作成日時:2022年3月7日 16時

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