【WT】青春待ったなし！！！！ (ページ16)

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濡れ衣は100倍にしてページ16

一人暮らしにしては少し広い一軒家。
姫坂は家族4人で暮らしていた家で一人暮らしをしていた。

誰かが泊まりにくるには十分な広さで、それこそ特に王子先輩はよく訪れていた。

でもこの日は王子先輩は来てないはずなのに。
なぜこの客用の部屋が使われているのか、それが本日の議題だ。

朝目覚めた時、ちょうど自分の部屋の向かいにある部屋のドアが閉まっていることに気づいた。いつもは開けているのに。

しかも、なんだか物音がする…、布が擦れる音。誰かが服を着替えているのか？
何のために？

『不法侵入…？』

荒船「誰が不法侵入だ、コラ。」

ガチャリと開いたドアから顔を覗かせたのは何を隠そうあの荒船さんだった。

『あらふねさん…？なんで？』

荒船「お前はたまに心配になるくらい馬鹿になるよな。
早く頭を覚ませ。」

案内してもないのに、私を洗面所に放り込んだ荒船さん。ここは私の家ですけど。

冷たい水を顔面に打ち付けること数回。徐々に昨日のことを思い出してきた。

『そうだ…！昨日荒船さんに勉強を教えてもらおうとして家に呼んだんだった…！』

荒船「思い出したか、この野郎。」

『いやぁ、すみません。
本当は水上先輩に頼んで、テスト範囲を中心に教えてもらおうと思ってたんですけど、なんか水上先輩見当たらなくて。』

荒船「ほぉ？昨日はそんなこと言ってなかったな。

俺は妥協案だって？その俺を今度は不法侵入扱いか。
いい度胸だ。その喧嘩買ってやる。」

『荒船さん！顔怖いです！超イケメンが台無しですよ！』

荒船「調子いいこと言っても無駄だ。
お前に問い詰める時は寝起きが良いって分かったから、今日は孤月とイーグレットで対戦してやる。喜べ。」

『それつまり本気ってことですね！？う、うう受けて立ちますよ！』

いつもの100倍悪い顔で笑った荒船さんを、私は忘れないから！

荒船「ということだ水上。頼んだぞ。」

水上「なんやよう分からんけど、とりあえずヒメちゃんをボコボコにしたいことだけは伝わったわ。」

『待って待って、水上先輩は反則！』

水上「俺がただ悪もんになってるだけやん。」