待ったは無しです ページ14
最近、ようやく冬の空気が落ち着きつつある頃。
橘高から再度トリガーホルダーを貸して欲しいと頼まれた。今回は姫坂1人のため、どうやら恒例の姫坂の隊服変更時期になったらしい。
最近は橘高の方も忙しくしており、前ほど頻繁ではないが季節の変わり目あたりで隊服の変更がなされることが多い。
今まで冬だったこともあり、王子らと同様パンツタイプの軍服を着用していた姫坂。そろそろいいだろうと、また今までの隊服へと戻そうというのだ。
閑話休題。
個人戦ブースで、今日も暴れている人たちがいる。
空閑や影浦、加えて村上だった。
もはや名物も通り過ぎて誰も目に留めなくなったこの試合たちは今日も粛々と行われるはずだった。
たまたま通りがかった姫坂。
たまたまブースからでて集まった3人。
まぁつまりはそういうことだ。
村上「ヒメもどうだ?個人戦。」
『いいですね、今日こそ勝ち越してやりますよ。』
影浦「お前まだ鋼に勝ち越せてねぇのか。」
『今日こそは、ですよ!』
空閑「ひめ先輩、次俺ね。」
『ふふん、空閑くんには負けないけどね。』
ひとたび姫坂が輪の中に入れば、自然と明るくなる様子もまた、ここでは空気と成り果てていた。
村上「そういえば、今日は換装してないな。」
『羽矢さんにトリガーホルダー取られちゃいまして。多分また私の隊服いじってるんだと思います。
私はその間に自販機に飲み物買いに来たんですよ。』
影浦「そんなんで戦えんのかよ。」
『この前みたいにはなってないと思いますよ。まぁなってたとしても羽矢さんなら言えばすぐに戻してくれますよ。
すぐに取ってくるんで、ブースに入って待っててもらっていいですか?』
村上「わかった。」
この前みたいな惨劇が生まれないためにも、ちゃんと隊室で換装してから行こう。
橘高「Aちゃん、お待たせ。」
『今日は小さくなったりしませんか?これから村上先輩たちと個人戦するんですよね。』
橘高「大丈夫よ。原寸大のままだわ。
でも、今回の隊服がどんな感じだったかは教えて欲しいわね。」
『ほんとだ、だいじょうぶそうです。
了解しましたぁ!行ってきまーす。』
橘高「いってらっしゃい。」
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作者名:通りすがりのいぬ | 作成日時:2022年3月7日 16時