国見 あきらめました。【国見英】

７回 あきらめました。 ページ8

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国見 あきらめました。



金田一にらっきょっていじらないの


あきらめました。



　





昼休み。



金田一、俺、Aで


１つの机に三人で囲むようにして


弁当を食べる。














「おぉ、金田一の見事なまでのらっきょ弁当！」


「らっきょ入ってねーわ！つか見てないだろ！」








金田一が弁当を開ける前に言ったから


怒られたし、当然否定もされた。



日頃から からかいすぎたがらか、


肩にグーパンチを入れられた。


若干 いたい。











「なんで勇ちゃんってらっきょって呼ばれてるの？」









箸で美味しそうな卵焼きをつかんで


口に含みながら Aが聞いてくる。



美味しそうに食べるよな、って


食事中に Aを見ていつも思う。











「そりゃ髪型が、」


「本人の前で言うな！」


「この前も女子にまた長いって言われた、って
　泣き叫んでたよな」


「泣き叫んでねーわ！嘘言うなよな、お前」











俺らの漫才みたいなやり取りを見て


クスクス笑う。



俺もつられて、ふっと笑って


金田一も笑った。














「大丈夫だよ！私は勇ちゃんのらっきょ
　チャームポイントだと思ってるし！」









チャームポイント、


そう言われて固まってる金田一。



俺はドンマイ、と背中を叩いたあと


堪えきれず お腹を抱えて笑った。













あきらめた理由


A曰くチャームポイントだから

いじるっきゃないだろ。














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