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キセキとラノベ 17 ページ20

*








「ようやく帰れる……」と呟いた彼女に、緑間もこの空間から抜け出すことが出来ることに安堵しつつ、自分の手にある本を思い出した。



「……この空気の中すまないが、貸出手続き……して欲しいのだよ……」











「……それで、遅れたと」


「不可抗力だろう」



緑間のその手には、先程扉が開いた図書室で嫌そうな彼女が嫌そうに手続きし、どうにか借りることが出来た本があった。

本を借り、ここへ戻ってくるまでにかかった時間を鑑みても、明らかにおかしかった為に問い詰めようかとすら思っていた赤司に、何も聞く前から緑間が言い訳がましく図書室での一件を口にした。



「まぁ、柔軟な考え方が出来ていれば、ここまで長引くことはなかったと思うよ。それから……単純に羨ましい」


「……お前はそんなことを言うタイプだったか?」



結果的に、最近何故か彼女を構い倒していた赤司に死角からジャブを入れるような形になってしまっていたのだが、緑間にその自覚はない。

そも、赤司が緑間を羨ましい、と感じたのはあくまでも「彼女と会話したこと」である。


赤司が彼女に声をかけ会話に興じようにも、よく声をかけるようになって数週間した頃から、赤司には会釈や首を振ったりはしても、あくまでも会話しないようにしているのか一切と口を開かなくなったからだった。



「なかなかいないからね。オレに真っ向から向き合ってズケズケと物を言うような人は」


「口を開けば敵に回す可能性があるからだろう……俺たちはそう思って接していないが、そうもいかない者の方が明らかに多いのだよ」


「そうかい?別にオレに何かあったからと、赤司が動く事なんてないのにね。そうやって勝手に遠巻きにされるくらいなら、彼女くらいの方がオレとしては好感が持てるよ」


「それで構い倒して引かれて会話すら儘ならないのは本末転倒だと思うが」



緑間のあまりの正論に赤司はぐうの音も出ないのか、その事が悔しかったのか。

その日の練習の休憩中、自然な動きのままに笑顔で緑間を膝カックンで跪かせている赤司が目撃された。






*

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西谷彩香(プロフ) - おは朝信者ならぬ虹村信者さん» コメントありがとうございます!この物語に出てくるラノベはあくまで私考案のオリジナルのものなので、架空のものになります! (2017年6月14日 20時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
おは朝信者ならぬ虹村信者 - ラノベってうってんのかな? (2017年6月14日 19時) (レス) id: c944dad363 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 鳴神花音さん» はい、多分次世代でも波乱を起こすのはお決まり、赤司家かと思われます。次世代主人公の彼女も、今後ともよろしくお願いします! (2017年5月15日 3時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
鳴神花音(プロフ) - 西谷彩香さん» テンションの高いあの人の子供でもあるらしいですからね。キセキとの絡みも楽しみにしています。赤司とか。 (2017年5月14日 21時) (レス) id: 7a206e086e (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 鳴神花音さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!淡々と返す主人公は娘にあまり受け継がれはしませんが…主人公のそれをかのれからも生かして行けるように頑張ります!ありがとうございました! (2017年5月14日 20時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2015年10月11日 22時

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