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僕はただ、20 ページ21

*








WCは恙無く進んでいた。

誠凛高校にも多少目を向けながら、と言うより、やはり俺は彼女を追っていた。

誠凛のいる所に彼女が居たから、必然的に誠凛を追っていたのだが。



「赤司、もう試合始まるぞ?」


「……あぁ、分かっているよ、小太郎」


「でも次の相手、別にキセキの世代いないしつまんなそー。レオ姉はさぁ、あれどー思う?」


「何とも思わないわよ」


「永ちゃんは?」


「さっき牛丼食ったから問題ねぇな」


「……黛さんはー?」


「……それ、答える必要あるのか?」


「べーつに?でもつまんないじゃん。ねぇ神奈ちゃん?」


「んー、でも全国に来てても、WC(この舞台)じゃ次の対戦校は中堅校とすら呼べないから仕方ないと思うよ?」


「神奈ちゃんが一番残酷だよなー。ま、どーでもいいけど!」



小太郎がペラペラと言葉を紡ぎ続ける。

既に眼前にはコートが広がっていると言うのに、絶対王者はまるでいつも通りの練習をするかのような気楽さでそこに居た。

コートの見える、入口の扉付近で赤司が振り返る。



「……まぁ、良い。この試合は何がなくとも僕達の勝ちだ。次に備えておけ。特に神奈、当たる可能性のある学校には全て目を通しておけ」


「マネージャーじゃないんだけどね、私。正太さん、一緒にやってくれます?」


「正太は試合のマネ業がある。僕はお前に言っているんだ」


「…………分かったよ!試合は見てなくて良いんでしょ?夜までに纏めとくし!」



神奈はそれだけ言ってパタパタと離れて行く。

そのまま真っ直ぐに何処かへと向かって行った。


他の試合は時間がズレていたりするから、若しかするとどこかの試合を見に行ったのだろうと、適当に当たりをつけて。











誠凛は既に初戦が終わっている。WC開幕直後からの試合だったらしいと聞いていた神奈は、今なら試合もなく、試合観戦のために会場内に姉がいるのではないかと疑っていたのだ。

離れていいと言われたのだ、この機会を逃す手はない。


会場から出て、神奈はとりあえず何処から探そうかと、二階にあるテラスに足を向けた。

そこからぼんやりと下を見下ろしながら何処から探そうかと考えようとしたのだ。


しかし___



「……え?」



眼前に、見えたのは。









*

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西谷彩香(プロフ) - QOOさん» コメントありがとうございます。原作のストーリー沿いだったこともあり、全くと言って良いほど描かれなかった赤司様視点で書くのはなかなかに難しかったですが、そう言っていただけで光栄です!ありがとうございました。 (2018年3月29日 9時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
QOO - やっぱり誠凛VS洛山の試合は感動ものですよね・・・思わず泣いてしまいました。征君が夢主ちゃんに惚れたのもわかるような気がします。とても面白かったです!!これからも頑張ってください!! (2018年3月29日 8時) (レス) id: 5adcb33c47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2018年2月9日 19時

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