僕はただ、15 ページ16
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WCがもう明後日に迫っていた。
洛山は体を慣らし、休ませるために二日前から東京入りする事になっている。
バスケの強豪であるが故に、我が部への投資はかなりの額だ。そうでなくても赤司グループから多大な寄付金により、たとえ高級ホテルに泊まったとしても、数週間は余裕だろう。
とは言え、そこそこに設備の整ったホテルが抑えられていたのはまぁ仕方のないことだと言える。
「神奈、お前には選手のケアとサポートを任せる」
「え」
「ただで着いてくるんだ、当然だろう」
「トオが着いてこいって言うから行くんだよ私！好きで行くんじゃないんだけど！」
「まぁ、そうだが。しかしお前は名目上俺たちのマネージャーだ」
「そう、だけど……それじゃ姉さんを探しに行けない！」
「そうしているんだ、当たり前だろう」
「トオほんとに嫌い！」
「それはよかった、好かれても困るよ。僕が好きなのはお前じゃないからね」
「ほんとイヤ！」
神奈は本気で嫌そうに顔をぶんぶんと振って、玲央の後ろに隠れてしまった。
「全くもう、征ちゃん？神奈ちゃんをそんなにいじめちゃダメよ」
「気を付けるよ」
「嘘だね！絶対嘘！ねぇレオ姉私やだコイツ！」
「神奈ちゃんもそんな事言わないの。……神奈ちゃん、幼児帰りでもしてるのかしら？我儘っ子みたいじゃない」
「彼女に近づいているから、そうかもしれないね」
「姉さんに会わせてくれないなら着いてく意味無いんだけど！」
そう言って騒ぎ続ける神奈を何とか諌め、新幹線に乗り込む。新幹線が出発し、東京に向けてゆっくりと近づいていた。
＊
東京につき駅から出ると、人混みに揉まれて人酔いしかけている神奈の腕を掴んで歩き出す。
「レオ姉が良い……離して」
「折角僕が手を引いてやってるんだ、大人しくしていろ。はぐれたいのか」
結局そのまま引きずるように神奈を引き、ホテルに向かった。
途中懐かしい色を見た気がしたが、雑踏に紛れすぐに見えなくなったから、追いかけることはしなかった。
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西谷彩香(プロフ) - QOOさん» コメントありがとうございます。原作のストーリー沿いだったこともあり、全くと言って良いほど描かれなかった赤司様視点で書くのはなかなかに難しかったですが、そう言っていただけで光栄です！ありがとうございました。 (2018年3月29日 9時) (
レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
QOO - やっぱり誠凛VS洛山の試合は感動ものですよね・・・思わず泣いてしまいました。征君が夢主ちゃんに惚れたのもわかるような気がします。とても面白かったです！！これからも頑張ってください！！ (2018年3月29日 8時) (レス) id: 5adcb33c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西谷彩香 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時：2018年2月9日 19時
