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僕はただ、12 ページ13

*








どうも、僕と神奈が付き合ってるだとか、そんなふざけた噂が出回り、一人歩きを始めているらしい。

その話を聞いたのは、WCへ向けての放課後練習に取り組んでいたある日の休憩時間。



「征ちゃん」


「レオ、どうかしたか?」


「ええっと……ちょっと、聞きたいことがあって」


「構わないよ。何だい?」


「その様子じゃまだ、聞いていないみたい……ね」


「話?」


「驚かないで聞いてちょうだい。……今、征ちゃんと神奈ちゃんが付き合ってるっていうデマが出回ってるのよ」



一瞬だけ目を見開いて、それからため息をついた。



「……くだらなさ過ぎてため息しか出ないんだが」


「バスケ部全員で総力を挙げて流した人を探してるわよ。私、初めて聞いた時びっくりしたのよ?」


「何だ、信じたのか?」


「違うわよ!むしろ、それが嘘ってすぐに分かったからびっくりしたのよ。その噂流した人、心臓に毛が生えてるんじゃないかしらって」



レオがあまりにも真剣そうな顔でそんなことを言うものだから、少しおかしくなってしまった。



「ふふ……レオは面白いことを言うんだね。でも僕は気にしていないし……何方かと言えば……僕ではなく、神奈に向けた当てつけのようにも聞こえる」


「神奈ちゃんに?」


「あぁ。人の心は分からないが、でも……僕だって理解はしてるんだ。自意識過剰だろうが、僕は人から羨望の眼差しを受ける人間だろう?」



元からのポテンシャルを含め、この体が注目を浴びていることは知っていた。

だからこそ、人の心が分からなくても理解出来た。



「血相変えて僕に謝り、許しを乞う神奈を見て嘲笑でもしたかったんだろう。僕と言う看板に傷をつけたと、そんな罪を押し付けて」



くっくと喉の奥を鳴らせば、レオはどうしていいか分からないと言わんばかりに眉を八の字にしていた。

僕は笑いを少し堪え、体育館の扉を指さした。



「この噂を少しでも神奈が聞いたなら、もうじきその扉を乱雑に開け放って来るだろうね。……もちろん、それは演技だろうけど」









*

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西谷彩香(プロフ) - QOOさん» コメントありがとうございます。原作のストーリー沿いだったこともあり、全くと言って良いほど描かれなかった赤司様視点で書くのはなかなかに難しかったですが、そう言っていただけで光栄です!ありがとうございました。 (2018年3月29日 9時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
QOO - やっぱり誠凛VS洛山の試合は感動ものですよね・・・思わず泣いてしまいました。征君が夢主ちゃんに惚れたのもわかるような気がします。とても面白かったです!!これからも頑張ってください!! (2018年3月29日 8時) (レス) id: 5adcb33c47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2018年2月9日 19時

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