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僕はただ、11 ページ12

*








結果としては、まぁまぁの出来だろうか。

人の心とは分かったものではないが、僕がここまで理解ろうとするのはまずない。


後にも先にも、彼女だけだろう。


京都に戻って来て早々神奈に詰め寄られたのも、まぁ想定内だ。



「姉さんに何もしてないよね!?」


「していないよ」


「信じられない!」


「ならどうして聞いたんだ」


「トオ以外誰が知ってるって言うの!?」


「俺は素直に率直に、あったことしか言わない」


「姉さんのことだから信じられないって言ってるの!」



そう喚く神奈を何とか宥め、本当に何も無かったとだけ繰り返した。



「本当の、本当に?」


「あぁ」


「嘘だったら針千本」


「飲もうじゃないか」


「……分かった、信じる」



一応自分の恩人、という事もあってか、神奈は彼女のことになれば必要以上に追求する割に、何だかんだ甘い。

今だって、僕が言い切った所で神奈は追求をやめた。


僕が口をそれ以上割らないと思ったのか、本当に信じたのかは分からないが。

それから神奈はため息を一つすると、僕に向き直った。



「今、京都だって予選時期だよね。洛山は、」


「インハイ予選は基本シード。そして既に勝ってWCへの出場は決定している」


「……そっか。じゃあ」


「あぁ。冬には、お前も連れて東京だね」


「京都を出たこと自体ほとんどないから、新鮮かもしれない」


「僕の目の届くところにいれば基本何しても構わないが」


「姉さん探しするよ。トオが動くより前に、私が姉さん見つけて助ける」


「彼女はあれでも自力で今まで僕から逃げて来た猛者だ。……お前の助けなんてなくても、彼女は逃げるだろうね。もしくは真正面から僕に啖呵を切るか」



僕がやれやれ、とジェスチャーして見せれば、神奈は「姉さんってそんな感じなんだ……惚れる」と呟いていた。


まぁ、彼女と面識のある人はきっと言うだろう。


黒子()を支える棚倉(影の光)」と。

誰もが知る彼女は、きっとそんな彼女だ。





*

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西谷彩香(プロフ) - QOOさん» コメントありがとうございます。原作のストーリー沿いだったこともあり、全くと言って良いほど描かれなかった赤司様視点で書くのはなかなかに難しかったですが、そう言っていただけで光栄です!ありがとうございました。 (2018年3月29日 9時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
QOO - やっぱり誠凛VS洛山の試合は感動ものですよね・・・思わず泣いてしまいました。征君が夢主ちゃんに惚れたのもわかるような気がします。とても面白かったです!!これからも頑張ってください!! (2018年3月29日 8時) (レス) id: 5adcb33c47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2018年2月9日 19時

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