僕はただ、1 ページ2
*
京都、洛山高校への入学は、僕自身が決めたことだ。強者であれ、勝者であれと教育されて来たから、この学校への進学はもとより決まっていたようなものだ。
当然の如く入試を一位で通過し、新入生代表の世辞を述べることも決定事項と言えばその通りだ。
"俺"は評価されていたんだ。
だから、"僕"になろうが、僕が洛山高校に来ることが決まった時点でその全ては動き出していた。
具体的に言うと、洛山高校の生徒会長、そして男子バスケ部主将と言う、その立場。それが僕の立場となる、という事に他ならないそれは、一体どれだけの反感を買うのだろうかと少しだけ期待していた。
この僕に歯向かい、牙を剥く輩はいるのだろうかと。
……しかし、洛山高校は名門であり、偏差値も高い。そんな下手な真似をする奴はいないのかもしれない、そう思ってもみたが。
「＿＿＿...新入生代表、赤司征十郎」
世辞を読み終え、講堂中を見回す。
今この瞬間、反抗的な色を目に浮かべた奴が、僕にとっての反抗粒子だ。
ちらほらと見えるものの、剥き出しではないところを見ると、流石は洛山高校に入学しただけあるという事だろうか。
そんなことをぼんやりと考えながら、壇上を降りる。
その後も恙無く進行した入学式が終わり、堅苦しい雰囲気から解放された新入生らは何かしら言葉を口にしながらコミュニティを形成していく。
敢えてそれに混じって友人を作る行為は"僕"には必要のないことだ。
仮に、いつか"俺"にこの体を返すことになったとしても、それは僕ではないからどうでもいい。そも、"俺"がその程度で参るような奴ではないことは僕が一番良く知っている。
***
……そう思っていたのに、僕の目に止まるなんて、彼女は何者だろうか。
周りに混じり笑顔を浮かべる彼女は、しかしそこに染まってはいなかった。
彼女だけが、異空間にいるのかと勘違いしてしまいそうになるくらいに。
「よろしくね、私、三月神奈！あ、そんな萎縮しないで！一人にしないで!!」
……あぁ、そうか。
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西谷彩香(プロフ) - QOOさん» コメントありがとうございます。原作のストーリー沿いだったこともあり、全くと言って良いほど描かれなかった赤司様視点で書くのはなかなかに難しかったですが、そう言っていただけで光栄です！ありがとうございました。 (2018年3月29日 9時) (
レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
QOO - やっぱり誠凛VS洛山の試合は感動ものですよね・・・思わず泣いてしまいました。征君が夢主ちゃんに惚れたのもわかるような気がします。とても面白かったです！！これからも頑張ってください！！ (2018年3月29日 8時) (レス) id: 5adcb33c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西谷彩香 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時：2018年2月9日 19時
