優しい人 20 ページ21
*
「先生、今日の昼間出掛けますね。先生は何か予定ありますか?」
「特にないです。唐突に入ったりしない限りは家にいます」
「そうですか、私今日、多分遅くなると思うので…夕ご飯、用意出来ないと思います」
「仕方ないですよ。適当に買って食べます。安心してください、抜いたりしません」
「そうしてくださいね、先生すぐ小説書きに夢中になって抜かすんですから!」
「Aさんも…ハメを外しすぎないようにしてくださいね。連絡が来ても迎えに行けませんよ」
「分かってます!」
朝食が済んだあと、片付けを済ませた彼女はそう言って自室に戻っていった。
今日は彼女がいない。ただ、外食と言う気分でもない。かと言って、誰かを家に呼ぶ気も起きない。
こういう時、決まって狙ったかのように連絡が来る。それを期待している僕は何なんだろう、と思いながら、じっと携帯を睨みつける。
「それじゃあ行ってきます!」と準備が出来たらしく玄関から出て行く音が隣から聞こえ、本当にひとりになった所で、やはり来た。
『着信:赤司くん』
僕はスリーコールを待って電話に出ると、赤司くんはあまりにも爽やかな声で告げる。
『黒子、久々に会えるかい?』
僕は小さくため息をついて、疲れたような声を上げる。
「…その前に、毎度狙ったかのようなタイミングで電話をかけるのをやめてもらってもいいですか」
『何の話かな。俺はただ、黒子に用があるだけだ』
「実際狙っているんでしょう、彼女のいる前じゃ、僕がてこでも動かないから」
『何だ、自覚していたのか。それなら話は早い。その、更中Aに関して話がある。…10秒以内で決めてくれ、俺が黒子の家に行くか、黒子が俺に会いに来るか』
「会いに行きます来ないで下さい」
一息で告げれば、電話の向こうで赤司くんが笑う。
その後、詳しい話は会った時に、と待ち合わせの場所と時間を告げられ、電話を終えた。
*
139人がお気に入り
「黒子のバスケ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
西谷彩香(プロフ) - もみおさん» コメントありがとうございます!今作は、長く黒子が報われない物語を書いていたので、どうにか救いたいと思い書いていました。そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございました! (2017年10月19日 6時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
もみお(プロフ) - 少し遅くなりましたが完結おめでとうございます!!この小説思ってた以上に奥深かったんですね、、、だからこんなに面白い作品なんだなっと実感しました!!次回作も楽しみにしております! (2017年10月19日 4時) (レス) id: f58ea7ee52 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - もみおさん» 結構好き勝手書くタイプなので、そう言っていただけるのは嬉しいです!お気に入り作者まで登録してくださってるんですね!ありがとうございます! (2017年9月16日 17時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
もみお(プロフ) - 西谷彩香さん» よかったですwwww西谷さんの小説の書き方?や設定が好きなのですぐ読んじゃいました!!ちなみにお気に入り作者にも登録してあります(ドヤァ (2017年9月16日 17時) (レス) id: f58ea7ee52 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - もみおさん» コメントありがとうございます!大丈夫です!少女の憂鬱シリーズの一つなのでネタバレはセーフです!ありがとうございます、更新頑張ります! (2017年9月16日 17時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時:2017年9月16日 13時