優しい人 15 ページ16
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後から、電話で赤司くんに説明されたことに、その通りだ、最もだと頷くしかなかった。
『今、世間の目はお前達2人に向いている。いくら顔が分からないと言っても、いつバレたっておかしくはない。』
『挙句、部屋は隣同士、しかも赤司グループ管轄のマンションの、だ。』
『…もし仮に顔が割れた場合、お前達はお互い部屋を出入りすることも難しくなる。』
『それならいっそ内側から繋げてしまえば、何も恐れることはないだろう?』
なるほど、と呟いた僕に、赤司くんはくすりと笑って続きを述べた。
『ただ…黒子、いくらお互いに理解があろうと、お前と彼女は異性同士だ。…くれぐれも、気を付けてくれ』
その言葉の真意を理解するのはあまりにも簡単すぎて。
顔がじわじわ赤くなる感覚を覚えながら、僕は彼に脅しのような一言を投げた。
「…実名で中高生時代の沙夜さんへ投げた行き過ぎた恋愛観全て、世間に公表してもいいんですか」
『それは恐ろしいね。まぁ、今のは冗談だから、あまり気にしなくていいよ。とにかく、色々と気を付けて貰えるとありがたい』
「言われずともそうします」
『そうか。…あぁ、そうだ黒子。彼女に一つ伝言を頼んでも構わないかい?』
「自分で連絡したらいいじゃないですか」
『生憎、電話1本にも割く時間が惜しい。これから海外に出張でね』
「副社長は大変ですね。お気をつけて。…それで、伝言とは?」
『彼女の住所宛に封筒を届けた。もう時期届くはずだ。中身はその通り、飛行機のチケットだ。きっと戸惑うと思う。』
「…話を聞いているだけでも戸惑いますけど」
『それはすまない。だが、彼女にも少々関係ある話でね。ちなみに3日後の便だ。彼女には、俺からの絶対命令だと伝えて、絶対に空港に連れてきてくれ。その後は俺から連絡する』
赤司くんはそう言うと、「後は頼んだよ」と告げ電話は切れた。
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西谷彩香(プロフ) - もみおさん» コメントありがとうございます!今作は、長く黒子が報われない物語を書いていたので、どうにか救いたいと思い書いていました。そう言っていただけて嬉しいです、ありがとうございました! (2017年10月19日 6時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
もみお(プロフ) - 少し遅くなりましたが完結おめでとうございます!!この小説思ってた以上に奥深かったんですね、、、だからこんなに面白い作品なんだなっと実感しました!!次回作も楽しみにしております! (2017年10月19日 4時) (レス) id: f58ea7ee52 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - もみおさん» 結構好き勝手書くタイプなので、そう言っていただけるのは嬉しいです!お気に入り作者まで登録してくださってるんですね!ありがとうございます! (2017年9月16日 17時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
もみお(プロフ) - 西谷彩香さん» よかったですwwww西谷さんの小説の書き方?や設定が好きなのですぐ読んじゃいました!!ちなみにお気に入り作者にも登録してあります(ドヤァ (2017年9月16日 17時) (レス) id: f58ea7ee52 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - もみおさん» コメントありがとうございます!大丈夫です!少女の憂鬱シリーズの一つなのでネタバレはセーフです!ありがとうございます、更新頑張ります! (2017年9月16日 17時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時:2017年9月16日 13時