ラノベ好き少女の憂鬱 11

キセキとラノベ 309 ページ9

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自動販売機の方へと歩いて来たがために、案の定2人はバッタリと会ってしまっていた。

もちろん、その2人とは黒子と棚倉の事である。



「…テツヤさんが何故、ここに？」


「…飲み物を忘れたので買いに、」


「奇遇ですね、私もそうなんですよ」


「まさか、同じ理由でわざと抜けてくるなんて思いませんでしたよ」


「逃げてきた訳じゃありません。…今、私が近くにいたら、かず…高尾さんが、」


「良いですよ、もう。分かってますから。」


「…和成さんが、苦しいと思ったので」



黒子の分かっている、と言う言葉に、彼女は少し、ビクッと肩を揺らしたのを、黒子は見逃さなかった。



「良いですか、Aさん。僕は、別に怒ってません。Aさんがどんな答えを出しても、それが全てだとちゃんと、分かってますから」


「…そうですか」


「…僕に言いたい事が、あるんですよね？」


「……私は、…………和成さんを、選びました。でも今さっき、その和成さんを傷付けたのも事実です」


「…そうですか。悩んでいたんですよね、僕だったから(・・・・・・)」


「それは違います。誤解です。…確かに、決めかねていました。テツヤさんと、和成さんと。…それでも、テツヤさんは私の大切な人…友達以上には、ならなかったんです」



その言葉に、首を傾げる。



「…友達、なんて言いながら…どうして、僕と悩んだんですか？」


「…分からなかったんです。私がテツヤさんに向けるこの好きと言う感情が、どう言ったものなのか」



だから悩んでいた、そしてテツヤさんを選ばなかった。それが分かったから。



「火神さんに誤解されてしまいましたが。…私に、テツヤさんを選ぶ資格はないと言ったせいでしょうね」



今の話を聞いて、選ぶ資格がないと言った理由が分かった黒子はなるほど、と手を打った。









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