キセキとラノベ 307 ページ7
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火神はこんな話、なんで俺に話すんだと思いながらも、軽い話ではなかったために黙って大人しく聞いていた。
「火神さん、あのですね…テツヤさんの事何ですが。…どうか、いつも通りでいられるようにしてあげてください。…私じゃ、どうしようもない、ので」
「…俺じゃなくても、フリとかいんだろ」
「あなたが!…テツヤさんの相棒だから。テツヤさんの光だから言ってるんです」
「…つーか、今日は観戦だろうが」
「…それでもです。明日に響いたらたまりません」
「話せばいいだろ、お前ら今まで馬鹿みたいに隣にいて話してただろうが」
「…話したいとは思います。でも…私、テツヤさんを選ばなかったんですよ。…なのに、こんな…都合のいい話ってありますか」
「は?選ばなかった?…って、どういう事だよ」
「その言葉通りですが」
「……選ばなかった…って…おま、棚倉まさか、」
「…はい。答えを出させていただきました」
「なんで、急に、…つーか何だよ、答えってお前、」
そう言ってしどろもどろし始めた火神を横目に、小さく、呟くようにその名を呼んだ。
「…和成さん。」
「…は?」
「私が選んだ人です」
「…はああ?なんで…つか誰だよそれ」
「…高尾さんです。秀徳高校の」
「ああ、あのすげーテンションたけー奴…」
それを聞いて、改めて火神は首をかしげた。
「…なんで、黒子じゃねえんだよ?」
最大の謎と言っても過言ではない。
あれだけ近かったはずなのに、選ばなかった理由が。
どうして、中学から一緒の黒子を選ばなかったのか。
それだけが、どうしても分からなかった。
「…私が、テツヤさんを……選ぶ資格なんて、なかったからですよ」
ハッキリと、そう聞こえた。
その言葉はまるで、黒子を選びたくても選べなかった、と言っているようだった。
もしもこれを、高尾か黒子か聞いていたなら、詰め寄った事だろう。
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西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» お久しぶりです!花宮と夢主の関係性、また、夢主の知らない所で繋がる、影と妹。姉妹関係と、恋人関係…随分と厄介なことに自分から頭を突っ込み始めました夢主。…何はともあれ、今後も頑張ります!友達申請に関しては大歓迎です、いつでもどうぞ! (2016年11月20日 22時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
如月レン(プロフ) - 西谷彩香さん» お久しぶりです。ログインしました。 成る程、花宮と夢主は、そういう関係だったんですね。少しずつ、妹ちゃんと仲良くなるのに感動します。(笑)これからの展開が楽しみです。更新、頑張って下さい。 後、友達申請をしても宜しいですか? (2016年11月20日 22時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» 毎度コメントありがとうございます。今回「11」でのキーパーソンは妹の神奈と花宮になると思います。先が見えなくなってきていますが、着実に前に進んでいます。どうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします。 (2016年10月5日 18時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
如月レン - 西谷彩香さん» お久しぶりです。花宮の夢主が全てというような言葉が気になります。段々と展開の読めないストーリーなってきて、読むのが楽しみです。更新、頑張って下さい。 (2016年10月5日 17時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» 毎度コメントありがとうございます!そうですね、アメリカンジョークで無理矢理通した感は否めませんが(笑)そうですね、ここで答えを出す事で、この先を更に誰も予想できない方向へ持っていきたかったので、こうなりました。今後の展開にこうご期待ください! (2016年8月19日 18時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時:2016年8月1日 15時