キセキとラノベ 306 ページ6
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彼女の名前が表示され、一瞬動きを止めて、それからスマホを手に取って、その着信が鳴り止むのを待った。
その着信に、出る気はないらしい。
「…直接の方が、良いでしょう?」
そんな言い訳をつけて。
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それから、その数分後に家を飛び出して走り出す。
目指すはもちろん、会場。
着いてすぐ、火神を見つけてそちらに駆け寄る。
「おはようございます、火神くん」
「うお!?…って、黒子かよ!驚かせんなよ」
「すみません」
「いや…良いけどよ。そう言や、棚倉は?」
「どうして僕に聞くんですか?」
「お前ら仲良いし…一緒に来たんじゃなかったのかと思ったんだけど?つーか、俺昨日棚倉に話があるから早く来てくれって言われたからこんな早く来てんのに…」
ぶつぶつと文句を垂れ流す相棒を前にしながら、恐らく、彼女はこの会場内の僕らが見える何処かに居ると思った。
火神に話がある、という時は大体、黒子を挟むことが多かったからだ。
火神と一対一で彼女が話すなど、基本的には信じられた情報ではない。だが、昨日のあの状態の黒子を挟む事は出来ない、と感じたのか。はたまた、初めから挟む気がなかったのか。
真意は分からなかったために、黒子は一旦その場を離れることにした。
「火神くん、ちょっと僕、用を思い出したので行ってきます」
「は?いやいや、もう少しで集合だろうが」
「いえ、その…今日、飲み物を持ってくるのを忘れたので…ちょっと買ってきます」
「何してんだよ、試合だったら一大事だぞそれ」
「そうですね…。どうにせよ、とりあえず行ってきます。集合までには戻るので」
「当然だろ、早く行って来いよ」
火神のその言葉を背に、その場を駆け足で離れてからすぐ、後ろを振り返る。
じっと見ていると、やはり、彼女はすぐ現れた。
遠くて、ここからでは何を話してるかはわからないが、火神の真面目な顔つきから、恐らくの予想を立てることが出来た。
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西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» お久しぶりです!花宮と夢主の関係性、また、夢主の知らない所で繋がる、影と妹。姉妹関係と、恋人関係…随分と厄介なことに自分から頭を突っ込み始めました夢主。…何はともあれ、今後も頑張ります!友達申請に関しては大歓迎です、いつでもどうぞ! (2016年11月20日 22時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
如月レン(プロフ) - 西谷彩香さん» お久しぶりです。ログインしました。 成る程、花宮と夢主は、そういう関係だったんですね。少しずつ、妹ちゃんと仲良くなるのに感動します。(笑)これからの展開が楽しみです。更新、頑張って下さい。 後、友達申請をしても宜しいですか? (2016年11月20日 22時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» 毎度コメントありがとうございます。今回「11」でのキーパーソンは妹の神奈と花宮になると思います。先が見えなくなってきていますが、着実に前に進んでいます。どうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします。 (2016年10月5日 18時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
如月レン - 西谷彩香さん» お久しぶりです。花宮の夢主が全てというような言葉が気になります。段々と展開の読めないストーリーなってきて、読むのが楽しみです。更新、頑張って下さい。 (2016年10月5日 17時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» 毎度コメントありがとうございます!そうですね、アメリカンジョークで無理矢理通した感は否めませんが(笑)そうですね、ここで答えを出す事で、この先を更に誰も予想できない方向へ持っていきたかったので、こうなりました。今後の展開にこうご期待ください! (2016年8月19日 18時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時:2016年8月1日 15時