キセキとラノベ 321 ページ21
*
騒がしい会場だったが、彼女らの耳にははっきりと聞こえた。
凛とした、それでいて自信満々の、黄瀬の声。
珍しく、その声に触発されたのか。
目も当てられない黄瀬の様子を見かねたのか。コート上で言いたい放題言われて、だが言い返せない黄瀬の顔が一瞬、見えて。
立ち上がった黒子は声を上げた。
「信じてますから…!黄瀬君!!」
「黒子っち…」
その声に、やっと"自分"を取り戻した黄瀬が笑った。
「……勝つ前に言っとくけどショウゴくんさぁ…カン違いしてるよ、あの子のこととか」
その声に、灰崎は黄瀬の方を向く。
「勝手につきまとって彼女名乗られてうんざりしてたんスよ正直…プライド高くて話は自慢話ばっか。モデルと付き合ってるってステータスが欲しかっただけなんスよ、あれは」
挑発するような、挑戦的な瞳で。
「見た目だけで群がってくるバカ女のうち一人とったくらいで、」
ゆっくりと灰崎と、灰崎の先のゴールを見据えて。
「調子乗ってんじゃねーよ」
「あ?」
そうして、黄瀬は緑間しか出来なかった
それを皮切りに、灰崎には奪えないキセキの世代の技を繰り出す黄瀬。
このままでは勝てないことを悟った灰崎の行動は。
試合の最中、ブザービートがなるその間際、黄瀬が足を痛めている事を知っていた灰崎はその足を思い切り踏みつけ、それからボールを奪ってゴールに入れようとする。
「…言ったはずっスよ」
だが、それを後ろで止まったはずの黄瀬に止められる。
「ジャマすんじゃねぇって」
そのまま、黄瀬はゴールへ走り、そのボールをゴールに叩き込む。
「勝つのはお前じゃない、俺だ!!」
ブザービートが鳴り響く。
その試合は決し、勝者は当然、海常高校。
勝ったことが分かった瞬間、黄瀬は満面の笑みを浮かべ、客席の彼女と黒子へ、ピースして見せた。
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西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» お久しぶりです!花宮と夢主の関係性、また、夢主の知らない所で繋がる、影と妹。姉妹関係と、恋人関係…随分と厄介なことに自分から頭を突っ込み始めました夢主。…何はともあれ、今後も頑張ります!友達申請に関しては大歓迎です、いつでもどうぞ! (2016年11月20日 22時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
如月レン(プロフ) - 西谷彩香さん» お久しぶりです。ログインしました。 成る程、花宮と夢主は、そういう関係だったんですね。少しずつ、妹ちゃんと仲良くなるのに感動します。(笑)これからの展開が楽しみです。更新、頑張って下さい。 後、友達申請をしても宜しいですか? (2016年11月20日 22時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» 毎度コメントありがとうございます。今回「11」でのキーパーソンは妹の神奈と花宮になると思います。先が見えなくなってきていますが、着実に前に進んでいます。どうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします。 (2016年10月5日 18時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
如月レン - 西谷彩香さん» お久しぶりです。花宮の夢主が全てというような言葉が気になります。段々と展開の読めないストーリーなってきて、読むのが楽しみです。更新、頑張って下さい。 (2016年10月5日 17時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - 如月レンさん» 毎度コメントありがとうございます!そうですね、アメリカンジョークで無理矢理通した感は否めませんが(笑)そうですね、ここで答えを出す事で、この先を更に誰も予想できない方向へ持っていきたかったので、こうなりました。今後の展開にこうご期待ください! (2016年8月19日 18時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時:2016年8月1日 15時