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『いってきまーす』
と、いつも通り家を出る。
「いってらしゃい」という母の声に送り出された。
「あ、私も。」という小夜と一緒に家を出て信号で分かれる。
駅で涼花と合流し、電車に乗った。
「ふわあ…ねぇ…明日から1本遅い電車にしない?」
涼花が欠伸をしながら言う。
『ええ…1本遅くしたら座れないじゃん…』
「Aって、サラリーマンみたいな考えしてるね」
『なにそれ。オッサンっていいたいの?』
「どうだかね。」
「少し寝るわ」と言って涼花は私の肩に頭を乗っけた。
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『え…』
教室に入るとボロボロの自分の机が目に入った。
『だ、誰が…』
机に近づくにつれて、その酷さが分かってきた。
びしょびしょの机とイス。
雑に置いてある汚い雑巾。
マジックで書かれた悪口。
切り刻まれた私の私物。
教室には私と涼花だけ。
カバンは何人かのがあったけど人はいない…
恐る恐る机の中を見ればカッターの刃とカミソリ。
だれが?
どうして?
なんのために?
なんで私なの?
なんの恨み?
たくさんの恐怖がいっきに押し寄せてきて、思わずしゃがみ込んでしまった。
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作者名:Ü | 作成日時:2017年11月23日 23時