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「キャアアアアアア」
大きな歓声に迎えられながら、ステージに出る。
『か細い火が心の端に灯る いつの間にか燃え広がる熱情』
「「尚更燃え上がるの
抱き寄せて欲しい 確かめて欲しい 間違いなど無いんだと 思わせて キスをして……」」
「束縛してもっと必要として 愛しいなら執着を見せつけて」
「「触れていて 戻れなくていい それでいいの 誰よりも大切な あなた…」」
最後の音が消えるまで、そらるから目を離しちゃダメ。
あと少し…
スーッと音が消えて、そらるがステージから降りる。
今度は私、1人の番…
イントロが鳴ると、盛り上がる会場。
その期待に答えられるようにと、息を吸い込んだ。
『江戸の町は今日も深く 夜の帳かけて行く
鏡向いて 紅を引いて 応じるまま 受け入れるまま
けれど私 安くないわ
真はただ1人の何方かの為だけに咲いていたかったのだけれど
運命はわっちの自由を奪い そいで歯車を回していくんでありんす
憂いを帯びた花 望む 果てる
「ようこそ おいでくんなまし」
恋人ごっこの夜に 吐息「あっ、あっ」と鳴かせて 悲しいくらいに感じた振りの吉原今日も雨 偽りだらけの恋愛 そして私を抱くのね…
咲き出す 傘の群れに濡れる私は雨…』
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作者名:Ü | 作成日時:2017年11月23日 23時