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「知れてよかった。じゃーね。」
と、一ノ瀬さんはパックジュースを加えて教室から出ていった。
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始業ギリギリ。
レイラと2人で登校する。
そらるさんは「先に行く」と短いメッセージを送って待ち合わせ場所にはいなかった。
「うわ…あんなことしたのに、まだ学校来るんだね…」
「くんなよ」
「まふくんもなんであんな人と付き合ってんだろ」
「最低だよね」
教室につくとレイラの悪口が聞こえた。
Aと北見は教室の隅で話していた。
レイラも悪口が言われて気分が悪いのか、ドカッとAの後ろの席に座った。
『ひっ』
と、Aは怯えた声を出していた。
始業のベルがなって、そらるさんも教室にやってくる。
先生もやってきて、HRがはじまった。
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『ふぁ〜あ』
またスズが髪色のことで呼び出しをくらった。
いい加減黒に戻したらいいのに…
1人で教室で待っていると、一ノ瀬さんがやってきた。
「お。椿1人だ。」
『一ノ瀬さん…その、朝の続き…教えてくれません?』
「え?ああ…あれね。
俺もそのライブ出るよ。って、言いたかったの。
分かるかな?俺、そらる、ってゆーの。」
『え、ええっと……からかってます?』
「俺、自分に得な嘘以外はつかない主義なんだよね。」
『じゃあ…』
「そ。じゃあ、週末のリハもよろしくね。」
そう微笑んで私の頭を撫でた。
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作者名:Ü | 作成日時:2017年11月23日 23時