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54. ページ7

今日の授業でやった、小テストの採点を終わらせた頃にはもう日付が変わりそうだった。電源を切っていたスマホを見ると、若狭くんから大量のLINE。あとエマからも。



今から帰る、とだけ送信するとすぐ既読がついて、迎えに行くから待っとけ、なんて。外に出ると僅かに冷たくなった風が髪の毛を攫う。その風に小さな冬の香りを感じた。




飛ばしてきてくれたのか若狭くんは十数分で来てくれた。が、彼は私の顔を見るなりおでこにデコピンをしてきた。




『いたっ』




「遅くなるなら連絡しろって何回も言ってンだろ」




『……ごめんなさい』




大人しくヘルメットを被せられながら謝る。バックルをカチャッと締められ、流れるように荷物が若狭くんの手に渡った。何度も繰り返されたやり取り。




やがて私たちはザリに乗り、夜の渋谷を走る。いつもの事だった。いつもと違うのは、私たちが恋人同士ってこと。




華奢に見えて意外と筋肉質な背中に無性に抱き着きたくなった。寒いし、と誰に向けたかも分からない言い訳を心の中でして、若狭くんの背中に頭を預けた。抱き締めるように回す腕にも力を込める。




信号待ちで止まると、若狭くんはメットのシールドを上げ、振り向きながら問いかけてきた。




「どうした?何かあった?」




『ううん、何も』




「じゃあただの甘えたさんか。珍しいな」



メットの奥で、若狭くんが笑ったような気がした。




信号が変わって、夜の街をバイクが走る。少しだけ、いつもより景色に彩が付いてるように思えたのはきっと錯覚じゃないし、きっと私だけじゃない。




別れ際には名残惜しさを感じてしまう。まるでティーンのような心情が恥ずかしい。若狭くんはそんな私の腕を引っ張って、自身のそれに閉じ込めた。引っ張る強さとは裏腹に、回された腕は優しい。




「これから毎日迎えに行くから」




そして額に触れるだけのキスを落とした。

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設定タグ:東京卍リベンジャーズ , 今牛若狭   
作品ジャンル:恋愛
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蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - やばい好き。これだからワカは最高なんだ (12月11日 0時) (レス) @page44 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんな(プロフ) - めちゃめちゃ最高でした(TдT)人生のバイブル?にします!子供4人は多いなw (11月4日 14時) (レス) @page43 id: c8a07ba8e1 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - とちさん» ありがとうございます、友人の布教活動のおかげ(?)ですかね……絶対役に立たないけどwwwwww (5月4日 10時) (レス) id: 1eabdc05d7 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - NIKOさん» 夢主の反撃が始まりますよォ!! (5月4日 10時) (レス) id: 1eabdc05d7 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - ゆんなさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!続けることにしました! (5月4日 10時) (レス) id: 1eabdc05d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかね | 作成日時:2022年4月19日 4時

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