シガーキス secondary【今牛若狭】

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若狭くんと合鍵の交換をした。隣同士だから合鍵なんかなくても……と言ったが彼は強引に交換へと踏み切った。そしてたった今お揃いのキーチェーンを渡されところだ。





『若狭くんってこういうこと好きじゃないんだと思ってた』




「Aじゃなかったらしてないと思う」




誰かさんはこれくらいしないと伝わらないから、なんて言われてしまったら私は何も言えない。イザナと万次郎がいたら「言葉が足りなかったんだろ」って反論してくれるんだけどなぁ。





ジグソーパズルとそれぞれの誕生石がストラップとしてついていて、パズルは私のと若狭くんのがぴったりくっつく仕組みらしい。バカップルっぽくって気恥ずかしいけど、彼が選んでくれたものだからやっぱり嬉しさの方が勝った。




『ありがとう、大事にする』




「ちゃんと使えよ」




私も返したいな、と若狭くんの顔を見上げると、不意に左耳についたピアスが目に入った。若狭くんと同じ瞳の色をした三連ボールピアス。確か高2の誕生日に私が上げたもの。吸い込まれそうな程深い色をしたピアス(それ)が、彼の虹彩を想起させて気がつけば買っていた。




『ピアス、まだ使ってたんだ』



「おー、まあ元々着けてたやつは喧嘩中に無くしちまったからもう片っぽのやつに変えたけど、Aからもらったのものだよ」




『……新しいのに変える？』




「選んでくれンの？」



若狭くんが微笑む。そうだなぁ、ジムトレーナーさんだしロングピアスじゃない方がいいかもしれない。なんて一人考えながら、若狭くんの耳に手を伸ばす。




軟骨に沿ってゆっくり優しく撫でると、くすぐたかったのか「ッ…ンッ」なんて声とともに肩を揺らした。思いもよらない反応に驚いて手を引っ込める。




『……若狭くん』




「言うな」




『可愛い……』



「ゼッテェ啼かす」



その日は本当に泣かされた。





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思わず喘いじゃう男の子って可愛いですよね(アウト)

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