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転んで手をついた時に擦りむいたであろう
リクオの手の怪我にかざしたリオナの手から
ぼうっ、と黄色い光が出た
「はい、できた！」
リクオの怪我は治っていた
「ありがとうお姉ちゃん！」
それを俺も親父も、周りの奴らも見逃さなかった
「リオナ様！さっきの……！」
「どうしたの？雪女」
「これは、二代目の治癒能力…」
「ちゆ？なあに、それ」
「いつからその力を使えたのですか？」
「え、えっと…」
俺は庭に出て、リオナの所へ歩いた。
リオナを取り巻いていた奴らは俺の道を開ける
そして俺はリオナの前まで行き、
目線を合わせるようにしてしゃがんだ。
「お父さん…」
ここ数年、俺は治癒能力をめっきり使えなくなった。
…そう、リオナが生まれてからだ。
これはつまり、俺の中から治癒の力が
リオナに受け継がれた、という事…なのか
「えっとね、あのね…」
急に首無達の質問攻めに遭ったからなのか、
リオナはどこか怯えていた
「リオナ、リクオの怪我を治してくれたのか？」
「う、うん…」
「リオナは優しいなあ」
そう言うと、
リオナの顔は花が開くように明るくなった
「お父さん、どこか怪我してない？
私が治してあげる！」
「嬉しいねえ。でも今はどこも怪我してないんだよ」
「えぇー」
「だから、いつか怪我した時は治してくれよ」
そう言ってリオナの頭を荒く撫でる。
リオナは元気よく頷いた
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作者名：kumakarin0110 | 作成日時：2020年7月7日 22時
