【ぬら孫】リクオの姉は若頭補佐 (ページ13)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:2,786 hit

・ページ13

．

「なに？リクオ。また例の友達？」

「まあね」

「リクオも損な役回りが多いね」

靴を履きながらそんなことを話していると、
烏天狗が飛んできた

「お待ちください若、姫！
世の中危のうございます。せめて護身用に刀を…」

「いいって！学校に行くだけだから」

「私もパスで」

そう言って出て行くと、牛鬼が向こうから歩いてきた

リクオはあからさまに嫌そうな顔をする。
そう言えば、リクオは牛鬼が苦手だったっけ

「ぎ、牛鬼…」

「これはこれは若に姫」

「牛鬼、久しぶり。元気してた？」

「お二人におかれましても、
ご機嫌麗しいご様子で何よりです」

「じゃ、じゃあ僕学校行ってくるね」

“行こう、姉ちゃん”
そう耳打ちして手を掴まれ、私達は走り出した

「あ、じゃあ牛鬼！今夜ねー」

リクオに引っ張られながらも私は振り返り、
そう声をかけた。

私達は小走りで学校へ向かった。

途中烏天狗が飛びながら説教してたけど、
リクオが何処かへ飛ばしてしまった。

学校へ着くと、私達は玄関で別れる。
私は三年の下駄箱へ、リクオは一年の下駄箱へ。

私が外履きを下駄箱に入れていると、声をかけられた

「相変わらずお早いですね」

「あら、焔」

隣には、息を切らした私の側近がいた

「行く時間になったら言ってくださいって
何度も言ってるじゃないすか」

「ごめんごめん」

彼は私の同じクラスの柴崎焔……というのは建前で、
私の側近である。

松明丸という、炎を操る鳥の妖怪だ。

この学校には他にも、雪女と青田坊が人間に扮して
リクオの護衛をしている。
…まあ、リクオは気付いてないみたいだけど

「俺は総大将から
貴方の護衛を仰せつかってるんすから」

「だからわかったって！」

階段を上がりながら、焔の長い説教は続いた。