邦楽ロックの短いおはなし

耳【斎藤宏介】 ページ6

「…んん……」








すぅすぅと寝息をたてる彼。






白い肌の色、長い睫毛。








丸いカーブを描く彼の髪。








こたつで寝てしまっている彼。









「宏ちゃーん？」






「……」






「起きてー？」






「……」









本当に気持ちよさそうに寝てしまっている。






ここで起こすのもなんだか申し訳ないしなぁ。








彼の顔をまじまじとみる。









「…あれ」








左耳にピアスの穴。






2つも。









「ピアス、してたの」









知らなかったなぁ。普段してないし。









「…知らないことだらけだよ」







「何が？」









「うわっ！」









寝ぼけた顔で問いかけてきた彼。






少し首を傾げて、顔をくしゃってして笑う彼。









「いやー、ピアスの穴、開けてたんだなって思って」







「あー…」









頭をくしゃくしゃと掻きながら目線を流す。









「昔ね、ちょっと」







「そうなんだ、つけてる雰囲気ないからさ」







「そうかもね」









んん、と声を出しながら伸びをする彼。






ふわっと優しい香りが彼からした。









「Aは開けちゃだめだよ」







「なんで？」







「…特に意味はないけど」







「えええー」









彼にとってのピアス。









彼にとってピアスの穴はなんだろう。








…なんか、もやもやするなぁ。





＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝


ちょっと意味が分かりませんね()




クリープハイプの「左耳」を聴きながらこのお話を書きました。




なかなか難しいですね……解釈はお任せします

おでこ【斎藤宏介】→←勢い【田淵智也】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す