邦楽ロックの短いおはなし

仲良し3人組【斎藤宏介×金井政人】 ページ25

ピンポーン









『はぁい』







多分、インターフォンを押してきた人物は99％あの人だ。









『金井さん』






「Aちゃん。こんばんは」






『あ、今から上の階行きますよね？ちょっと準備するので待っててくれますか？』






「うん、りょーかい」









ゆるめに敬礼した彼を見届けてしっかり紙袋を持って、準備万端！









「喜んでくれるかなー」





『これ何回目なんですか〜！喜んでくれますよ、きっと！』









そう、だって今日の主役は……









「宏ちゃ〜〜ん」





『斎藤さ〜〜ん」









「『お誕生日おめでとう！！！』」









UNISON SQUARE GARDENのギターボーカル、斎藤宏介さんの誕生日なのだ。









*



*****




****************









「俺はねぇ、宏ちゃんのねぇ、声がすんごいすきなの」






「それ何回目だよ」









笑いながら金井さんをあしらう斎藤さん








二人ともお酒がまわってふわふわしている。









「そんでねぇ、Aちゃんの、笑顔が可愛いところがすき〜〜」







『金井さん、今日は斎藤さんの誕生日ですよー？？』









酔った勢いでかいつもはそんなこと言わない金井さんにちょっと驚いてしまう。









「あ、じゃあ俺も」







斎藤さんが口を開く









「俺はね、Aちゃんのちょっと家庭的なところがすき、かな？」







『斎藤さんまで何言ってるんですか〜』









もっと意外だった彼が言う言葉にてれ隠しで返してしまう。









「宏ちゃんAちゃんのこと大好きだもんね〜」






「ばっ…！いや、！嫌いじゃないよ！好きだから！」






「ガチだよ、宏ちゃん」









へらへら笑う金井さんにわたしはどうしていいか分からなくなる。









「ま、俺もAちゃんの事、大好きだけどね」







『え…』









えへへ、と笑ってソファで眠りについてしまった。









……この二人はズルいぞ…………









「Aちゃん、ごめんね？」







『え、あ！いや！全然……』








そう言いかけたとき、口をふさがれたのがわかった。








「俺、結構本気だから」









思わせぶりなことを言っといてバタン、と倒れるように寝た彼。








……わたし、今、顔赤い。絶対。

仲良し3人組.２【斎藤宏介×金井政人】→←子供【田淵智也】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す