第133話 ページ40
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グリーンが手早く注文を済ませてくれ、後は料理を待つだけである。
「今日の学会どうだった、数日前必死に準備してたけど」
「ええ、無事に発表も成功しまして。イッシュのアララギ博士にはとても褒めていただけました」
「ジイさんもいたんだろ?」
「はい、でもオーキド博士は今回は座長でしたので、発表は特にはなかったです」
「そか。まあ準備した甲斐があったってんなら、俺がメシ作りに行った甲斐もあったってことだ!」
「そうですね、とてもありがたかったです」
「あんなのでよければいつでも作りに行ってやるから、早めに連絡しろよな」
「ふふ、あまりお世話にならないよう自己管理しないとですね」
「いつもならククイ博士の奥さんがそこらへんサポートしてくれてんのか」
「そうとも言えるし、そうじゃないとも言える……が正解でしょうか」
「はあ……?」
しかしこう言うしかないのだから仕方ない。
「基本バーネット博士は私達が学会準備に追われてたりすると、食事を部屋まで持ってきてくれたりとサポートに徹してくれるんですけど」
「ああ」
「バーネット博士も研究者ですから、いつもと違う何かが観測されればそちらに集中しますので……」
「なるほど、全員そういうのが被ると最早カオス、と」
「そういうことです……」
「研究者のサガってやつかねえ……」
そこへ、「お待たせしました」と料理が運ばれてきたので、お話は中断である。
「わあっ、美味しそう!」
彩りよく盛り付けられた料理に、Aのテンションが上がる。
「写真撮ってお兄ちゃんに見せなきゃ!」
スマホで数枚写真を撮ったあと、Aは早速「いただきます!」と手を合わせる。
「はい、どーぞ」
グリーンも「いただきます」と手を合わせ、箸を入れる。
「美味しい……!」
ぱあっと表情を輝かせるAを見て、グリーンも満足そうに笑う。
あんまり美味しくて、夢中になっていたらあっという間に完食してしまった。
「すごく美味しかったです!」
「そうかそうか、ならカントー来た時にはまた連れてきてやるよ」
「ありがとうございます、今度はお兄ちゃんやレッドさんの都合も合えばいいですね」
「そうだな」
ドリンクを飲み落ち着いたところで、「それじゃあそろそろ行くか」とグリーンが立ち上がった。
「あ、グリーンさん、私一度お手洗いに……」
「ん、行って来いよ」
グリーンの許可をもらって、Aはお手洗いに向かう。
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作者名:リトルポム | 作成日時:2022年8月3日 23時