弟と空却さん37 ページ39
「お待たせいたしました。こちら、コーヒーでございます。ごゆっくりどうぞ」
私たちの目の前には、湯気をあげるコーヒー。
沈黙が気まずくて、私はコーヒーを一口啜った。
『あつっ！？』
「だ、大丈夫か、A？」
あぁ、カッコ悪いとこ見せちゃった。
心の中で笑われてたり、しないかな……。
「こ、コーヒー、うまいか？」
『うん、美味しいよ』
「そうか、良かったな」
それから二人ともまた黙り込む。
コーヒーだけがどんどん冷めていくような感じがして、緊張する。
「今日誘ったのには理由があってだな……」
空却さんが深妙な顔つきになるので、少し警戒して私も見つめ返した。
「A、手、出せ」
『どうして？』
「いいから」
目を逸らして言うので、気になってしまう。
けれど、彼の言葉に背く理由は特にないので、手を机の上に出す。
「そのまんま、目ぇ閉じてろよ」
目を閉じると、当然視界は真っ暗になる。
空却さんの深呼吸が聞こえて、私まで息を整えた。
「いつもありがと」
その言葉がしっとりと響けば、私の右手薬指に何かがはまる感覚がした。
「もう目開けていいぞ」
『指輪？綺麗だね』
彼は自分の右手、薬指を隠すようにして見せてきた。
まさか……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いつまいよ(プロフ) - みんさん» 自分自身何も知らずに空却くんに会ったらビビるだろうなーと思って書きました(*^^*)共感してくださり嬉しいです。初コメありがとう＆これからもよろしくお願いします！ (2020年4月12日 8時) (
レス) id: 4f1872a950 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 見た目ヤンキーが急に来たら怖いですよね(笑)夢主さんの気持ちめっちゃ分かります。応援してますので、これからも更新(無理しない程度に)頑張ってください！！ (2020年4月12日 8時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いつまいよ | 作成日時：2020年4月10日 1時
