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弟と空却さん26 ページ28

「ご、ごめんなさい……!」

「はは、誠意が足んねぇなあ、四十物?」




相手はリーダー格の人以外に3人の連れがいた。

リーダーの人が十四を指差し笑うと、彼の連れもにやにやと笑った。




「ごめんで済んだら警察いらねぇ、ってな」

『ちょっと、ぶつかってきたのは貴方たちの方でしょ!』




突っかかっちゃった……!

彼らこそ、空却さんより遥かに見た目がヤンキーでめちゃくちゃ怖い。

なのに、無意識のうちに私は十四の前に立っていた。

仁王立ちして、姉として十四を守るために。

怖いけど、十四のためなら頑張れた。




「なんだ、四十物。姉貴がいたのか?」

『もう、十四に関わるのはやめて』




私はきっぱりと言うと、十四の手を引いて歩き出した。

まずは、十四を安全な場所に避難させなくちゃ。




「んじゃ、姉ちゃんになら構っていいのかな?」




マイクでの戦いがやっと主流になってきたとはいえ。

やはり小さないざこざでは当然のように暴力が根付いたままである。

私が十四の「お兄ちゃん」だったら良かったのになぁ。

力強くて、頼れて、カッコいいお兄ちゃん!

それなら、こんな風に腕を掴まれても、振りほどけたのにね。




「お姉ちゃんっ!」




十四の大声が響く。

すると、周囲の人の目は一斉にこちらを向いた。

視線が痛い。いじめっ子たちは怖い。力が無いのが、悔しい。

様々な感情が渦巻き、泣き出しそうになってしまう。




「よぉ、おめぇら」




彼が、現れるまでは。

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いつまいよ(プロフ) - みんさん» 自分自身何も知らずに空却くんに会ったらビビるだろうなーと思って書きました(*^^*)共感してくださり嬉しいです。初コメありがとう&これからもよろしくお願いします! (2020年4月12日 8時) (レス) id: 4f1872a950 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 見た目ヤンキーが急に来たら怖いですよね(笑)夢主さんの気持ちめっちゃ分かります。応援してますので、これからも更新(無理しない程度に)頑張ってください!! (2020年4月12日 8時) (レス) id: d0213f078c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いつまいよ | 作成日時:2020年4月10日 1時

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